うちの会社でも5月に退職されたスタッフがいて、ここでは
退職給付金
失業保険・失業手当
中退共
等について整理しておきたいと思います。中退共についてはこちらに書いているのですが、

こちらはうちの会社が余裕があった時に加盟していたもので、その制度については会社の状況とともに変わっていくものかと思います。
そこで今回は退職給付金についての記事になります。退職後にもらえるお金について調べていると、退職給付金という言葉をみることもあるでしょう。しかし、退職給付金は会社の退職金を指す場合もあれば、失業手当のような公的給付を含めて使われる場合もあり、少しわかりにくい言葉となります。
退職前の方にとって大切なのは、「いくらもらえるのか」だけではなく、「いつ受け取れるのか」「どのような条件があるのか」「受け取ることで不利になる点はないのか」だと思います。
この記事では、退職給付金のメリット・デメリットを、退職金と雇用保険の基本手当を中心に書いておきます。退職後の生活設計や転職活動の準備に役立つよう、制度の全体像と注意点を中心に書いておきます。
退職給付金は生活を支える一方で条件確認が必要
退職給付金の大きなメリットは、退職後の生活費を補い、次の仕事や老後生活への移行期間を支えてくれることとなります。
一方で、デメリットとしては、受け取るまでに時間がかかること、受給条件があること、在職中の給与ほどの金額にならないことが挙げられます。
特に失業手当については、退職すれば自動的にもらえるものではありません。
雇用保険の加入期間、離職理由、求職活動の実績などが確認されます。
また、自己都合退職の場合は、7日間の待期期間に加えて給付制限が設けられるため、退職直後からすぐに支給されるわけではありません。
2025年4月1日以降の退職では、自己都合退職の給付制限が原則1か月に短縮されています。
以前は原則2か月とされていたため、退職予定の方にとっては重要な変更点です。
ただし、過去の離職回数や個別事情によって取り扱いが変わる可能性があるため、最終的にはハローワークなどで確認することが望ましいです。
退職給付金は「もらえるから安心」と考えるのではなく、「いつ・いくら・どの条件で受け取れるか」を確認して活用する制度と考えると理解しやすいです。
退職給付金には複数の種類があります
退職給付金という言葉は、場面によって意味が異なります。
そのため、まずは何を指しているのかを整理することが重要です。
会社から支払われる退職金
一般的に退職金とは、会社が退職する従業員さんに支払うお金です。
法律上、すべての会社に退職金制度が義務付けられているわけではありません。
そのため、退職金があるかどうか、いくら支給されるか、いつ支払われるかは、会社の就業規則や退職金規程によって決まります。
退職金には、退職一時金として一括で受け取るもの、企業年金のように年金形式で受け取るもの、両方を組み合わせるものがあります。
同じ勤続年数でも、会社や制度によって支給額が大きく異なる点に注意が必要です。
雇用保険から支給される基本手当
退職後に再就職を目指す方が利用する代表的な制度が、雇用保険の基本手当です。
一般的には失業手当、失業保険と呼ばれることがあります。
この給付は、働く意思と能力があり、積極的に求職活動をしている方を支援するための制度です。
そのため、退職後にしばらく休養する予定の方や、すぐに働く意思がない方は、原則として対象になりにくいと考えられます。
失業手当は退職の慰労金ではなく、再就職を支援するための給付です。
企業年金や確定拠出年金も関係します
会社によっては、退職金制度の一部として企業年金や確定拠出年金を導入している場合があります。
確定給付企業年金、企業型確定拠出年金、中小企業退職金共済など、制度の種類はさまざまです。
これらは老後資金に関わるため、退職時に一時金で受け取るのか、年金として受け取るのか、転職先へ移換するのかを確認する必要があります。
選択を誤ると、税金や将来の資産形成に影響する可能性があります。
退職給付金の主なメリット
退職給付金のメリットは、単にお金を受け取れることだけではありません。
生活、転職、老後資金、心理面において一定の支えになる点が評価されています。
退職後の生活費を補いやすくなります
退職すると、給与収入は原則として止まります。
しかし、家賃、住宅ローン、食費、通信費、保険料、税金などの支出は続きます。
退職金や失業手当があれば、収入が途切れる期間の生活費を補いやすくなります。
特に家族を扶養している会社員さんや、固定費が大きい方にとっては重要な役割を持ちます。
退職給付金は、退職後の資金ショートを防ぐための安全網として機能すると考えられます。
焦らずに転職活動を進めやすくなります
貯蓄が少ない状態で退職すると、生活費への不安から早急に就職先を決めたくなる場合があります。
もちろん早期の再就職が望ましいケースもありますが、焦りによって条件確認が不十分になる可能性があります。
失業手当が一定期間の生活を支えることで、求人内容、労働条件、職場環境を比較しやすくなります。
結果として、ミスマッチの少ない再就職につながる可能性があります。
会社都合退職では給付面で有利になりやすいです
倒産、解雇、雇い止めなど、本人の意思によらない理由で退職した場合、雇用保険上は会社都合退職として扱われることがあります。
会社都合退職の場合、自己都合退職よりも給付制限の面で有利になりやすく、所定給付日数も手厚くなる場合があります。
ただし、会社都合か自己都合かの判断は、離職票の記載内容や実態によって確認されます。
退職理由に納得できない場合は、ハローワークで事情を説明することが大切です。
老後資金の準備に役立ちます
退職金や企業年金は、老後資金の柱の一つになることがあります。
公的年金だけでは生活費が不足する可能性を考えると、退職時にまとまった資金を得られることは大きな安心材料です。
退職一時金には退職所得控除が適用されるため、税制上の優遇を受けやすい仕組みになっています。
ただし、受け取り方や金額によって税負担が変わる可能性があるため、高額な退職金を受け取る方は税理士さんなどの専門家に相談するのも一つの方法です。
退職給付金の主なデメリット
退職給付金には多くのメリットがありますが、過信すると資金計画にずれが生じる可能性があります。
制度上の制限や実務上の注意点も理解しておく必要があります。
受け取るまでに時間がかかる場合があります
退職金は会社の規程に従って支払われます。
退職日から数週間後に振り込まれる会社もあれば、数か月かかる会社もあります。
失業手当についても、離職票の受け取り、ハローワークでの手続き、7日間の待期期間、場合によっては給付制限を経て支給されます。
自己都合退職の場合、2025年4月1日以降は原則1か月の給付制限とされていますが、それでも退職直後に受け取れるわけではありません。
退職月の翌月から支給されると誤解すると、生活費が不足する可能性があります。
受給額は給与より少ないことが一般的です
失業手当の金額は、退職前の賃金をもとに計算されますが、在職中の給与と同額ではありません。
一般的には、退職前の賃金日額に一定の給付率を掛けて算出され、上限も設けられています。
そのため、住宅ローンや教育費などの固定費が大きい家庭では、生活水準を維持しにくい可能性があります。
退職金についても、勤続年数が短い場合や退職金制度が限定的な会社では、期待したほどの金額にならないことがあります。
退職給付金だけで生活を維持できるとは限らない点を前提に考える必要があります。
自己都合退職では不利になる場合があります
自己都合退職は、転職、家庭の事情、体調面の理由など、本人側の事情で退職するケースを指します。
雇用保険では、会社都合退職に比べて給付開始時期や給付日数の面で不利になりやすい傾向があります。
ただし、長時間労働、ハラスメント、病気、介護など、やむを得ない事情がある場合は、特定理由離職者などとして扱われる可能性があります。
形式上は自己都合と記載されていても、実態によって判断が変わる場合があるため、離職票を確認することが重要です。
アルバイトや副業に制限が生じることがあります
失業手当の受給中にアルバイトや副業をすること自体が、必ず禁止されているわけではありません。
しかし、働いた日数、労働時間、収入額によっては、基本手当が減額されたり、支給が先送りされたりする場合があります。
また、申告せずに働いた場合、不正受給と判断される可能性があります。
不正受給とされた場合、返還や追加納付を求められることがあるため注意が必要です。
受給中に働く場合は、必ずハローワークへ申告することが基本です。
社会保険料や税金の負担は続きます
退職後は給与収入がなくなっても、国民健康保険料、国民年金保険料、住民税などの支払いが発生します。
会社員時代は給与天引きで支払っていたため、退職後に負担感が大きくなる方も少なくありません。
特に住民税は前年の所得をもとに課税されるため、退職後に収入が減っても一定額の納付が必要になる場合があります。
退職給付金を生活費だけに使うと、税金や保険料の支払いに困る可能性があります。
退職前に、退職後半年から1年分の固定支出を試算しておくことが望ましいです。
一括受取では使いすぎるリスクがあります
退職金を一括で受け取ると、まとまった資金が手元に入ります。
これは安心材料になる一方で、住宅ローンの繰上返済、投資、旅行、家族への援助などに使いすぎるリスクもあります。
退職金は長期の生活資金としての性格を持つため、短期間で大きく減らすと老後資金が不足する可能性があります。
一括受取と年金受取のどちらが適しているかは、年齢、家計、健康状態、税金、投資経験によって異なります。
退職前に知っておきたい具体的なケース
退職給付金は、退職理由や働き方によって受け取り方が変わります。
ここでは、読者さんがイメージしやすいように代表的なケースを整理します。
ケース1:自己都合で転職前に退職する会社員さん
転職先を決めずに自己都合で退職する場合、雇用保険の基本手当を受け取れる可能性があります。
ただし、一定の被保険者期間が必要であり、求職活動を行うことが前提です。
2025年4月1日以降の退職では、7日間の待期期間に加えて、原則1か月の給付制限があります。
そのため、退職後すぐの生活費は貯蓄でまかなう必要があると考えられます。
確認すべきポイント
- 離職票がいつ届くかを会社に確認します。
- 退職後の生活費を最低2〜3か月分は準備します。
- ハローワークで求職申込みを早めに行います。
- アルバイトをする場合は申告方法を確認します。
自己都合退職では、支給開始までの空白期間をどう乗り切るかが重要です。
ケース2:会社都合で退職することになった会社員さん
倒産や解雇などにより会社都合で退職する場合、失業手当の面では自己都合退職より有利になる可能性があります。
給付制限がかからず、比較的早く受給できるケースが多いとされています。
また、年齢や雇用保険の加入期間によっては、所定給付日数が長くなる場合があります。
ただし、離職票の退職理由が実態と異なる場合は、給付内容に影響する可能性があります。
確認すべきポイント
- 離職票の離職理由を必ず確認します。
- 会社の説明と実態が異なる場合はハローワークに相談します。
- 未払い賃金や退職金の有無も確認します。
- 健康保険の任意継続や国民健康保険の比較を行います。
会社都合退職では、離職理由の確認が受給内容を左右する可能性があります。
ケース3:定年退職後に退職金を受け取る方
定年退職では、退職金や企業年金が老後生活の重要な資金源になります。
一時金として受け取る場合は、退職所得控除により税負担が軽くなることがあります。
一方で、年金形式で受け取る場合は、公的年金等控除の対象になることがありますが、毎年の所得として扱われるため、社会保険料や税金に影響する可能性があります。
どちらが有利かは一概に言えません。
退職金の金額、他の年金収入、配偶者さんの収入、住宅ローンの有無などを総合的に見る必要があります。
確認すべきポイント
- 一時金受取と年金受取の税金を比較します。
- 生活費、医療費、介護費の見通しを立てます。
- 退職金を投資に回す場合はリスク許容度を確認します。
- 必要に応じて税理士さんやファイナンシャルプランナーさんに相談します。
定年退職時の退職給付金は、受け取り方と使い方の設計が重要です。
ケース4:退職後に短時間の仕事をしながら求職する方
退職後、生活費を補うためにアルバイトをしながら転職活動を行う方もいます。
この場合、雇用保険の基本手当との関係に注意が必要です。
働いた事実を申告しなかった場合、不正受給とみなされる可能性があります。
また、労働時間や収入によっては、失業状態と認められにくくなる場合があります。
確認すべきポイント
- 働く前にハローワークへ相談します。
- 失業認定申告書に正確に記載します。
- 労働時間と収入額の基準を確認します。
- 就職と判断される働き方にならないよう注意します。
収入を得ながら受給する場合は、正確な申告が最も重要です。
退職給付金で損をしないための確認事項
退職給付金を適切に活用するには、退職前から準備を進めることが大切です。
特に、会社の制度と公的制度の両方を確認する必要があります。
就業規則と退職金規程を確認します
退職金の有無や計算方法は、就業規則や退職金規程に記載されていることが一般的です。
勤続年数、退職理由、役職、基本給、ポイント制など、会社によって計算方法は異なります。
自己都合退職と会社都合退職で支給率が異なる会社もあります。
退職日を数日ずらすだけで勤続年数の扱いが変わる可能性もあるため、退職予定日を決める前に確認することが望ましいです。
離職票の内容を確認します
失業手当の手続きには、原則として離職票が必要です。
離職票には、賃金額や離職理由が記載されます。
離職理由は、給付制限や所定給付日数に影響する可能性があります。
退職理由が実態と違うと感じる場合は、署名や手続きの前後で内容を慎重に確認することが大切です。
退職後の支出を先に計算します
退職給付金を考える際は、受け取る金額だけでなく、出ていくお金も把握する必要があります。
主な支出には、次のようなものがあります。
- 家賃または住宅ローン
- 食費や光熱費などの生活費
- 国民健康保険料または任意継続保険料
- 国民年金保険料
- 住民税
- 生命保険料や損害保険料
- 教育費や介護費
退職後の資金計画は、受給額ではなく手元に残る金額で考えることが重要です。
専門家や窓口に相談する選択肢もあります
退職給付金に関する制度は複雑です。
退職金、企業年金、雇用保険、健康保険、年金、税金がそれぞれ関係するため、個人で判断しにくい場面もあります。
雇用保険についてはハローワーク、健康保険については加入している健康保険組合や市区町村、税金については税務署や税理士さんに確認できます。
家計全体の設計については、ファイナンシャルプランナーさんに相談する方法もあります。
不明点を放置せず、退職前に確認することで不利益を避けやすくなります。
メリットとデメリットを理解すれば退職後の不安は減らせます
退職給付金のメリットは、退職後の生活費を補えること、転職活動に時間を使いやすくなること、老後資金の一部として活用できることです。
特に退職金や失業手当は、収入が途切れる時期の支えとして大きな意味を持ちます。
一方で、デメリットもあります。
受け取りまでに時間がかかること、自己都合退職では給付制限があること、受給額が給与より少ないこと、社会保険料や税金の負担が続くことには注意が必要です。
また、失業手当は求職活動を前提とした制度であり、アルバイトや副業をする場合には正確な申告が求められます。
2025年4月1日以降は、自己都合退職の給付制限が原則1か月に短縮されていますが、個別事情によって扱いが異なる可能性があります。
最新情報はハローワークなどの公的窓口で確認することが望ましいです。
退職給付金は、退職後の不安を軽減する制度である一方、条件やタイミングを理解して初めて十分に活用できるものです。
退職前の小さな確認が将来の安心につながります
退職を考え始めた段階で、まずは会社の退職金規程、雇用保険の加入期間、退職後の生活費を確認してみることをおすすめします。
すべてを一度に理解する必要はありません。
退職金はいくらか、失業手当はいつから受け取れる可能性があるか、退職後に毎月いくら支払う必要があるかを順番に整理するだけでも、判断しやすくなります。
退職は人生の大きな節目です。
制度を正しく知り、必要な手続きを早めに進めることで、退職後の生活や転職活動を落ち着いて進めやすくなります。
読者さんの状況に合った選択ができるよう、気になる点は会社の担当者さんや公的窓口、専門家さんに確認しながら準備を進めてください。


