法人保険とは、法人が事業上のリスクを軽減する目的で利用できる保障商品のことです。
法人による事業展開の中には、あらゆるリスクが存在します。
自社内の規約整備や福利厚生制度の充実のみでは、十分な対策が得られないのが現状です。
そのため、多数の企業が何らかの法人保険を利用するケースが増えています。
一方、法人保険と一言で言っても、さまざまな種類があり、目的や課題によって幅広い選択肢があります。
どのような保険商品を選択すればよいのか、判断が難しい経営者の人もいるのではないでしょうか。
今回は、法人保険の種類とそれぞれの特徴について解説します。
さらに、法人保険の利点や欠点、および適切な商品の選び方や会計処理などについても説明します。
この記事でわかること
- 法人保険とは契約者が法人の保険
- 損害保険と生命保険および第三の保険に大別できる
- 経営者の万一の事態に備えるなどの利点が得られる
- 保険料支払いの負担が発生するなど考慮したい点も多い
- 以前は節税効果があったが現在は限定的
- 法人保険の活用により借入金や連帯保証などのさまざまなリスクに対応できる
- 保険付保の目的や将来の事業計画などを加味して商品を選ぶ
- 貯蓄目的であれば他の商品を選ぶ方法もある
今回紹介するおすすめの法人保険を参考に、ぜひ自社に最適な保険商品を見つけてみてください。
- 法人保険とは契約者などが法人名義の保険の総称
- 法人保険は主に3種類に大別できる
- 法人保険を比較する際に注目したい点
- 損害保険の中でおすすめの法人保険12選
- ネット型で保険料を抑えられる三井ダイレクト損害保険 自動車保険
- 事務所や工場などの補償を得られる三井住友海上火災保険 ビジネスキーパー
- 動産の補償を広範囲に確保できる日新火災海上保険 財産補償保険MONO保険
- 生産物品質補償を含めた広範囲の補償が得られるAIG損保 事業総合賠償責任保険(ALL STARs)
- 事故対応から法律相談費用まで幅広く補償される三井住友海上 サイバー保険
- テレワーク中のリスクにも備えられる東京海上日動 サイバーリスク保険 情報漏えい限定補償プラン
- さまざまな法人形態に対応している三井住友海上火災保険 会社役員賠償責任保険(D&O保険)
- 幅広い補償を包括形式で得られる損保ジャパン 企業総合賠償責任保険(和文CGL)
- 年間包括保険料方式で格安の東京海上日動 請負業者賠償責任保険
- 状況に応じた柔軟な契約内容の設定ができる三井住友海上火災保険 運賠 安心デリバリー
- 2種類の補償が組み合わされた東京海上日動 労働災害総合保険
- リコールに関するさまざまな費用を補償する東京海上日動 生産物回収費用保険(リコール保険)
- 生命保険の分類におけるおすすめの法人保険11選
- 長期間の死亡保障が確保できる日本生命保険 長期定期保険
- 2種類のコースから選択できる東京海上日動あんしん生命 あんしんプレミアム定期
- 状況に応じて保険期間を設定できるエヌエヌ生命 定期保険クオリティ
- 長期にわたり定額の保障が得られる第一生命保険 長期定期保険 サクセス
- 経営者不在に備えたさまざまなニーズに対応できる朝日生命保険 プレステージ
- 解約返戻金により資産形成目的にも活用できるFWD富士生命 生活障がい定期
- もしもの保障を得ながら高い貯蓄性を備えるソニー生命 養老保険
- 特約の種類が豊富で希望に合わせた契約ができるSOMPOひまわり生命保険 養老保険
- 最長100歳までの長期保障の設定が可能な三井住友海上あいおい生命保険 定期保険 100歳満了タイプ
- 高額の保険金額と長期保障が魅力のソニー生命保険 二ューエグゼクティブライフ 平準定期保険 無配当
- 一生涯の保障を得られる東京海上日動あんしん生命 終身保険(無配当)
- 第三の保険の中でおすすめの法人保険7選
- 法人保険の利用にはさまざまな利点がある
- 法人保険の利用には配慮したい点も多い
- 法人保険の節税効果は限定的
- 法人保険料の会計処理は保険内容により異なる
- 法人保険の活用によりさまざまなリスクに備えられる
- 自社に適した法人保険の正しい選び方を理解しよう
- 法人保険の見直しをする際に注目したいポイントを押さえておこう
- 法人保険に関する相談先は保険代理店が適している
- 法人保険以外の貯蓄方法も検討して適切な選択を
- 自社に最適な法人保険を利用してもしもの状況に備えよう
法人保険とは契約者などが法人名義の保険の総称
そもそも法人保険とは、契約者および保険料の支払者が法人である保険契約の総称のことです。
法人保険と聞くと、生命保険を連想する人がいるかもしれませんが、実際には各種損害保険や医療保険の一部も法人保険に含まれます。
法人が事業を推進していく中には、さまざまなリスクが存在します。
たとえば、法人の中核を担う経営者が突然不慮の事故で業務に携われなくなるかもしれません。
経営者の離脱は、状況によっては法人としての事業を継続できないほどの多大な影響が出る可能性もあります。
金融機関からの信頼を失い、融資を受けられなくなってしまうリスクもあるでしょう。
メーカーの場合は、販売する製品に不具合があり事故の原因となると、損害賠償の責任を負います。
賠償費用を用意できず、そのまま事業継続が難しくなる恐れもあります。
法人保険は、数ある事業上のリスクを踏まえ、事業継続に必要な保障を確保するために活用する保険商品です。
法人保険についての理解を深めるため、以下の2点について説明します。
- 個人向け保険商品に法人名義で加入する場合も含む
- 個人保険と法人保険とでは契約形態と税務上の取り扱いに違いがある
法人保険に関して正確な理解を得るため、ぜひ参考にしてください。
個人向け保険商品に法人名義で加入する場合も含む
法人保険は、広義の捉え方として個人向け保険商品に法人名義で加入する場合も一般的です。
保険会社の多くは、個人向けと法人向けで商品を分けて提供しています。
一般的に、法人向け保険のほうが保険料負担が高額であり、かつ保障となる保険金額が高い傾向にあります。
中小企業のように資金規模が小さい会社は、保険料負担が大きい法人保険への加入が難しい場合もあるでしょう。
保障を得るための資金が潤沢にない中小企業では、個人向け保険商品に法人名義で加入して、法人保険の代替として活用するケースもあります。
個人向け商品を法人名義で加入できるかは、保険会社によって取り扱いが異なるため、事前の確認が大切です。
法人保険への加入を検討する際は、自社の資金状況や被保険者の規模などを総合的に勘案して、最適な保険形式を選択する必要があります。
個人保険と法人保険とでは契約形態と税務上の取り扱いに違いがある
同じ保険商品でも、個人向けと法人向けとでは、主に契約形態と税務上の取り扱いに違いがあります。
ともに不測の事態に備えるための商品なのは変わりませんが、事務処理面での違いがある点は理解しておきましょう。
特に、法人における保険は、税務処理に直結するなど正確な取り扱いが必要です。
法人税の計算を誤ると、税務申告のやり直しなどを求められる恐れもあります。
以下に、主に契約上の形態の違いと税務上の取り扱いにおける違いについて説明するので、法人保険の契約をする前にぜひ参考にしてください。
契約形態における違い
個人向け保険の契約者や保険金受取者は、すべて個人のみ設定が可能です。
保険料の負担者も個人となり、法人が関わる部分はありません。
一方、法人保険の場合は法人が契約者となって手続きをします。
保険金受取者を法人に指定できるのが特徴で、事業上のリスクを保障する目的で利用可能です。
保険商品によっては、個人を保険金受取者に指定できるものもあります。
契約開始当初の保険金受取者は法人でありながら、のちに個人に受取者を切り替えられる商品もあります。
法人保険は、状況に応じて運用目的を変えられる便利な保険です。
税務上での違い
税務上の取り扱いとしては、個人向け保険の場合は支払保険料を所得控除として取り扱います。
所得控除とは、年末調整または確定申告で、年間の所得から支払保険料のうちの一定額を控除する計算のことです。
所得控除により、納付する所得税を減らす効果があります。
一方、法人保険の場合は支払保険料を一定の条件により損金として処理が可能です。
損金とは、法人税を算出する中で、所得から控除できる費用のことを指します。
保険料を支払うと、企業の利益が減り、それに伴って法人税の納税額が減る仕組みです。
しかし、受け取った保険金や解約返戻金は益金として取り扱う必要があります。
益金は、損金の反対で法人税を増やす根拠となる点も理解しておきましょう。
法人保険は主に3種類に大別できる
法人保険は、主に以下の3種類に大別できます。
- さまざまな種類の損害補償に備える損害保険
- 経営層や従業員の万一に備える生命保険
- 損害保険と生命保険のいずれにも属さない第三の保険
法人として事業を継続していくと、事故や災害などあらゆるリスクが伴います。
企業の形態や規模、あるいは主たる事業内容によって注目したいリスクの内容は異なります。
自社に必要な法人保険を選ぶためには、状況分析が欠かせません。
自分の会社が最も回避したいリスクや、もしもの時に事業が継続できなくなるような弱い部分を検討して、保険で補うのがよいでしょう。
今回紹介する3種類の保険の特徴や利点を理解して、ぜひ自分の会社に適した保険の種類を見定めてください。
さまざまな種類の損害補償に備える損害保険
損害保険とは、事故や災害などにより損害を被った場合の補償を目的とした保険のことです。
企業が事業活動を展開していく中には、さまざまな損害発生リスクがあります。
場合によっては、想定以上の損害を被り、事業継続が難しい事態に陥る可能性もあるでしょう。
損害保険に加入して、もしもの時に備えておくと、事業継続における危機を乗り切れるかもしれません。
損害保険は、リスクが多岐にわたるため補償内容はさまざまです。
以下に、損害保険の主な種類を12種類紹介します。
- 社用車がある場合に有効な自動車保険
- 法人所有の建物などを補償する火災保険
- 事業用機器類など幅広く補償できる動産総合保険
- 生産物に関する損害賠償に対応するPL保険
- サイバーリスクに備えるサイバー保険
- 顧客の個人情報漏洩時に活用できる個人情報漏洩保険
- 会社役員の業務に起因する損害賠償を補償する役員賠償責任保険
- 保有施設が起因となる損害賠償に対応する施設賠償責任保険
- 請負業に関連する損害賠償を補償する請負業賠償責任保険
- 第三者からの受託貨物に関する損害に対応する受託者賠償責任保険
- 従業員の労働災害補償に備える労働災害総合保険
- 製品や商品のリコールを補償するリコール保険
自社にどの補償が必要かを考慮し、適した損害保険の種類を選ぶのが大切です。
社用車がある場合に有効な自動車保険
社用車や営業用車両を保有する企業は、自動車保険の利用を検討しましょう。
通常、自動車には自賠責保険に加え任意保険を付保するのが一般的です。
法人向け自動車保険のほうが、個人向けの自動車保険より手厚く補償を得られるものが多数用意されています。
法人が事業を展開するにあたって必要な補償が用意され、オプションなどの選択によっては自動車事故により被った損害を補填できるプランもあります。
個人向け保険よりも補償が充実している反面、保険料は割高に設定されがちなため、選択の際には補償内容と保険料のバランスを考慮するのが大切です。
商品によっては、車両数が増えるほど割安な保険料が適用されるなどの優遇措置もあり、保険会社によってさまざまな取り組みがあります。
運送事業など、自動車を活用した事業を展開している法人は、法人向け自動車保険の加入が適しています。
法人所有の建物などを補償する火災保険
火災保険は、法人名義で所有している建物などの資産における損害を補償する保険です。
自宅に付保している火災保険と同様、火災や水害など幅広い災害により被る被害を補償します。
火災保険で補償できる資産として、一般的に以下が挙げられます。
- 建物
- 建物内の機械装置や什器
- 屋外の地面に固着されている機械装置
- 商品や製品および仕掛品など
法人向け火災保険は、資産への損害そのものの補償に加え、損害に付随するリスクの補償を伴っている商品も多数存在します。
たとえば、災害により営業休止となるリスクや、第三者に対する賠償責任を負うリスクなどが含まれます。
法人向け火災保険の適切な保険料および保険金は、企業の状況により変動するのが一般的です。
保有する資産の多さや重要度などを十分に考慮し、適切な契約をするのが大切になってきます。
多数の保険会社が、企業ごとの状況に合わせた契約内容の提案をしてくれるため、契約前に十分検討しましょう。
事業用機器類など幅広く補償できる動産総合保険
動産総合保険とは、事業用機器類などを補償の対象にしている総合保険のことです。
対象となる資産は、以下のようなものがあります。
- 事業用の什器および備品
- 機械や器具
- 商品および製品
動産総合保険の特徴として、補償範囲が広い点が挙げられます。
輸送中の事故や保管中の損害および店舗などでの展示中など、幅広い状況で起こる損害に対する補償が得られるのが魅力です。
火災保険と重複する部分が多々あるため、動産総合保険と火災保険を両方利用する場合は、過剰な補償を付与して無駄な保険料を負担しないように確認しましょう。
動産総合保険は、自社で多くの動産を保有している企業や、リース業など動産自体を事業活動に用いている企業にとって大切な保険と考えられます。
生産物に関する損害賠償に対応するPL保険
PL保険は、正式には生産物賠償責任保険という名称です。
企業が開発および製造販売した製品により、利用者や消費者がケガや病気になってしまった場合の賠償責任に備えられます。
PL保険で補償できる損害の範囲は、生産物あるいは仕事の結果で生じた第三者に対する損害賠償です。
製造業や飲食業および工事請負業など、顧客に製品や飲食物などを提供する企業にとって消費者に対する損害は、事業の継続を揺るがす事態になるケースも少なくありません。
損害賠償額が高額になり、負担が難しい場合もあるでしょう。
PL保険に加入しておくと、もしもの事態に備えた損害賠償の補償を得られます。
PL保険に加入する際は、補償を受ける保険金額の設定が重要です。
自社の売上規模や取り扱っている製品の種類および量を考慮して、最適な保険付保を心がける必要があります。
サイバーリスクに備えるサイバー保険
サイバー保険とは、ハッカーやコンピューターウイルスなどのサイバー攻撃により被る損害を補償する法人保険のことです。
近年は、多数の企業がデジタル化を推進している時代になっています。
会社の機密情報をデジタルデータで管理するのが当たり前の時代になっており、セキュリティ面の補強はどの企業においても最重要の課題です。
デジタルデータの重要性が増している昨今、サイバー攻撃による損害は以前よりも劇的に大きくなるリスクが増しています。
そのため、サイバー保険の注目度はこれからますます高まるでしょう。
サイバー保険では、以下のような損害や費用を補償できます。
- サイバー攻撃で被った損害賠償責任に対しての補償
- 再発防止を目的とした事故対応に要する費用の補償
- データ活用の中断により発生した費用の補償
中小企業のほうがセキュリティ面で劣っているため、大手企業よりもサイバー攻撃の標的にされがちです。
中小企業の経営者で、自社のセキュリティ面の弱さが心配な場合は、優先的にサイバー保険を利用したほうがよいかもしれません。
顧客の個人情報漏洩時に活用できる個人情報漏洩保険
個人情報漏洩保険とは、企業が管理している顧客の個人情報が漏洩した場合に、発生する費用や損害を補償する保険のことです。
ハッキングなどのサイバー攻撃による情報漏洩が多いですが、従業員が私的に会社の個人情報を持ち出して悪用する事例もあります。
個人情報の漏洩は、損害賠償責任が生じる点に加え企業の大幅なイメージダウンを招いてしまうため、企業にとって甚大な損害になります。
個人情報漏洩に備える専門の保険であるため、大量の顧客情報を管理している企業にとっては有効な補償手段といえるでしょう。
個人情報漏洩保険では、以下のようなケースで補償が得られます。
- 個人情報漏洩により直接的に発生する損害賠償の費用
- ハッキングなどサイバー攻撃に対抗するための投資費用
- 情報が漏洩した相手先に対する見舞に関連する費用の補償
このように、個人情報漏洩保険は情報漏洩が起因で発生する費用を幅広く補償できる保険です。
会社役員の業務に起因する損害賠償を補償する役員賠償責任保険
役員賠償責任保険とは、D&O保険とも呼ばれ、会社役員の業務遂行が起因で発生した損害賠償を補償する法人保険のことです。
会社の役員には、会社法や民法に定められているとおり、さまざまな義務や責任が課せられます。
会社および第三者に対する責任を有している立場なため、責任を果たせないと追及された場合の損害賠償責任を負うリスクが高いです。
会社役員の責任を全うできない場合は、訴訟に発展する事例もあるなど、高額の損害賠償を請求される恐れがあります。
役員賠償責任保険の加入は、高いリスクの補償として備えられるでしょう。
役員賠償責任保険では、以下のような補償や補填が得られます。
- 法律上の問題で発生する損害賠償金
- 争訟に関連する諸費用
- 特約で補償される保険金
役員のトラブルに関連した費用に備えたい場合には、役員賠償責任保険の利用を検討してください。
保有施設が起因となる損害賠償に対応する施設賠償責任保険
施設賠償責任保険とは、自社保有施設が起因として発生した損害賠償を補償する法人保険のことです。
施設の安全性維持や管理の不備、あるいは構造上の欠陥や誤った使用方法などが原因となって発生する損害賠償が補償の対象となります。
具体的には、従業員が顧客に対してケガを負わせてしまった場合や、施設の壁が倒壊して通行人がケガをした場合などが該当します。
保険会社によっては、主契約に加えて特約の活用によりさらに広範囲の補償が可能です。
たとえば、漏水担保特約では設備から漏れ出した液体や蒸気などにより第三者に損害を与えた場合の補償が得られます。
人格権および宣伝侵害事故補償特約は、他人の自由やプライバシーなどを侵害して損害賠償責任が発生した場合の補償を付与できる特約です。
施設賠償責任保険は、自社施設でサービスを提供する飲食業や、工事現場でのリスクが潜む建設業などに適した法人保険といえるでしょう。
請負業に関連する損害賠償を補償する請負業賠償責任保険
請負業賠償責任保険とは、工事や運搬作業などの請負作業に起因して発生した損害を補償する法人保険のことです。
請負業を営む中には、第三者に損害を負わせるリスクが存在します。
特に建設業を営む企業にとっては、請負作業が起因となって発生する損害賠償は重大です。
したがって、請負業賠償責任保険は建設業の企業にとって必要不可欠な保険と考えられています。
請負業賠償責任保険で補償される内容は、以下のとおりです。
- 損害賠償金:被害者に対して支払う治療費など
- 訴訟費用:相手側とのトラブルを起因として発生した訴訟に関連する費用
- 損害防止軽減費用:発生した事故の損害拡大を防止するための費用
- 緊急措置費用:被害者に対する応急処置や病院への移送に関連する費用
- 協力費用:事故に関連するトラブルの解決に要した費用
保険会社によっては、工事遅延により発生する損害を補償する特約など、各種特約が用意されています。
複数の保険会社の請負業賠償責任保険や特約を比較して、自社の状況に最適なものを選びましょう。
第三者からの受託貨物に関する損害に対応する受託者賠償責任保険
受託者賠償責任保険とは、第三者から預かっている荷物などに及んだ損害を補償する法人保険のことです。
火災などの自然災害に加え、紛失や盗難および受託者側の不手際により発生した損害も補償の対象となります。
受託者賠償責任保険が有効な業種としては、自社倉庫で顧客の貨物を預かる倉庫業が当てはまります。
補償される範囲は保険会社の商品ごとに異なるため、自社の事業内容に見合った種類を選ぶのが大切です。
たとえば、預かっている最中における損害のみに対応する保険もあれば、運搬中における損害に対応するタイプもあります。
預かるのみでなく顧客の指定場所への運搬も請け負う事業者の場合は、広範囲の損害を補償する保険商品を選ぶのが肝要です。
特約の設定により、漏水や紛失など主契約では対応できない補償を加える方法もあります。
受託者賠償責任保険を利用する際は、自社の状況に適している保険商品を選ぶとよいでしょう。
従業員の労働災害補償に備える労働災害総合保険
労働災害総合保険とは、雇用している従業員の労働災害における補償が得られる法人保険です。
業務中に従業員が労働災害を被った際に、企業としては災害補償金や損害賠償の費用を負担する必要があります。
労働災害の内容によっては、甚大な被害額を被る恐れもあるため、保険でもしもの時に備えます。
労働災害総合保険は、法定外補償保険と使用者賠償責任保険の2種類から構成されている保険です。
保険会社によっては、いずれか一方のみの利用もできます。
法定外補償保険とは、従業員の労働災害の費用を政府労災保険などで補填してもらった場合、政府労災保険でまかない切れない上乗せ補償の部分を補償する保険のことです。
使用者賠償責任保険とは、法律上の賠償責任の負担に対する補償のことを指します。
労働災害総合保険は、政府の労災保険制度ではまかない切れない、高額の補償金額を補填する目的での利用がみられます。
製品や商品のリコールを補償するリコール保険
リコール保険とは、自社で取り扱っている製品や商品をリコールする際にかかる費用を補償する法人保険のことです。
各種メーカーにとって、製品や商品の不具合によるリコールの実施に備えておく必要があります。
リコールとは、販売する製品や商品に欠陥が見つかった場合に、自主的な判断で無償修理や交換および返品回収を実施する行為のことです。
PL保険と混同している人もいるかもしれませんが、リコール保険は補償範囲が回収や修理にかかる費用に限定されています。
消費者が製品を使う中で発生する損害に対する補償を確保したい場合は、PL保険を選ぶとよいでしょう。
リコール保険は、製造業や販売業を営む法人に適しています。
PL保険と組み合わせて利用すると、製品や商品に関連する幅広い補償が得られるため、相性のよい選択です。
経営層や従業員の万一に備える生命保険
法人保険には、前述の損害保険の他に、生命保険もあります。
法人保険と聞くと、生命保険を連想する人が多いかもしれません。
多数の保険会社が、法人保険の分類で生命保険を取り扱っています。
契約者が法人で生命保険を付保する場合、被保険者は経営者や従業員であるケースが一般的です。
経営者や従業員の万一の事態に備えて、生命保険を付保します。
法人向け生命保険は、主に以下の3種類に分類できます。
- 保険受取人がいずれ保険金を受け取れる終身保険
- 被保険者の貯蓄の要素が強い養老保険
- 掛け捨てタイプで保険料が安い定期保険
それぞれの特徴を理解して、ぜひ自社に適した保険の種類を選択してください。
保険受取人がいずれ保険金を受け取れる終身保険
終身保険は、保険受取人が何らかの形で必ず保険金を受け取れるタイプの生命保険です。
被保険者自身が保険金を受け取るのではなく、保険受取人として設定した人または法人が受取者となります。
そのため、終身保険は貯蓄性が高い保険で、もしもの保障を確保しながら貯蓄目的で運用できる商品です。
終身保険は、時間が経過するごとに解約返戻金も増加する特徴を持っているため、タイミングをみて解約をし、何らかの資金に充てる使用方法もあります。
掛け捨てではなく貯蓄部分が多い保険であり、定期保険よりも支払保険料が高額になっている点も特徴です。
貯蓄を優先するのか、保険料を抑えながら充実した保障の確保を重視するのか、保険を付保する自社の目的に合わせて選択するとよいでしょう。
被保険者の貯蓄の要素が強い養老保険
養老保険は、被保険者向け貯蓄の要素が強い生命保険です。
終身保険と同様に貯蓄性が高く、資産運用の目的でも広く利用されます。
養老保険では、被保険者が死亡または高度障害などに至った場合か、保険期間の満期を迎えた場合のどちらかで保険金を受け取れます。
被保険者が死亡した場合は当人とは別の受取人に、被保険者が生存したまま満期を迎えた場合は被保険者に、保険金が提供されるケースが一般的です。
養老保険の解約返戻金は、基本的に保険期間の満期に近付くにつれて右肩上がりに増加していきます。
解約返戻金の状況を見ながら、途中解約をして何らかの資金に活用する方法にも適しています。
養老保険は、貯蓄性ともしもの保障を兼ね備えている保険であるため、幅広い用途に利用されている法人保険です。
掛け捨てタイプで保険料が安い定期保険
定期保険は掛け捨てタイプの保険で、安い支払保険料が設定されるのが一般的です。
満期を迎えるまでに被保険者が死亡または高度障害になった場合に保険金が発生する保険で、被保険者が健康な場合は保険金を受け取れません。
定期保険の最大の特徴は、終身保険や養老保険よりも安い保険料で手厚い保障が得られる点です。
保障を手厚くしたい期間が決まっている場合や、役員や経営者の切り替わりのタイミングを区切りとして保障を得たいと考える場合は、定期保険が適しています。
定期保険は貯蓄性が低いものの、保険開始初期には一定の解約返戻金が蓄積される場合があります。
タイミング次第では、途中で解約して解約返戻金を受け取り、特定の目的の資金に活用する
のもよいでしょう。
基本的には、定期保険は掛け捨て保険であるため、一定期間に手厚い保障を得たい場合に適しています。
損害保険と生命保険のいずれにも属さない第三の保険
法人保険には、前述の損害保険と生命保険のどちらにも属さない、第三の保険と呼ばれる分類があります。
主に病気やケガに備える保険で、個人向け保険の医療保険に近い法人保険です。
第三の保険は、経営者や従業員を被保険者として法人名義で契約をする事例が広くみられます。
生命保険会社と損害保険会社の両方で取り扱いが可能なため、さまざまな会社がそれぞれの特徴を打ち出して保険商品を提供しています。
第三の保険は、主に以下の4種類です。
- 従業員の病気に備える医療保険
- がんのリスクに備えるがん保険
- 寝たきりや認知症に備える介護保障保険
- 仕事ができない期間の所得を補償する所得補償保険
損害保険や生命保険に加えて、第三の保険の特徴も理解し、自社にとって最適な保険を選択する際の参考にしてください。
従業員の病気に備える医療保険
医療保険は、従業員や経営者および役員の病気に備える保険です。
主に入院に要する費用や手術費用を保障する目的で利用し、従業員や役員などの高額医療費発生に備えられます。
入院保障は、1日当たりの保険日額を定め、入院した日数を乗じて保険金額を算出するのが一般的です。
近年は、入院をすると一定の一時金が受け取れるタイプも増えています。
手術保障の面では、術法によって定められた入院日数を保険日額と乗じて保険金額を算出する場合がほとんどです。
入院無しの手術にも保険金が下りる商品も増えて、多様性がみられます。
医療保険は、特約が充実しているのも特徴です。
がんや三大疾病に備えるのはもちろん、就業不能や生活習慣病の治療など取り扱う範囲を自由に広げられます。
医療保険を利用する際は、主契約の部分と特約で得られる保障範囲を十分検討して、最適な契約ができるようにしましょう。
がんのリスクに備えるがん保険
がん保険とは、保障の対象ががんに限定されている法人保険のことです。
以前は、がんといえば不治の病と考えられてきましたが、近年は医療技術が進化し十分に治療できる病気とみなされるようになりました。
しかし、治療費が高額になり、十分な治療が受けられないケースも多いです。
がん保険では、高額治療費が発生する可能性のあるがん治療の保障を受けられます。
がん保険での保険金給付の名目には、主に以下の4種類があります。
- 入院給付金:がん治療のため入院する際に受け取れる給付金
- 手術給付金:がん治療目的の手術を受ける際に受け取れる給付金
- 治療給付金:がん治療用の投薬や治療行為を受けた際に受け取れる給付金
- がん診断給付金:がんと診断されたタイミングで受け取れる給付金
前述の医療保険との組み合わせで、病気に幅広く備えられるでしょう。
がん治療で負う費用負担を保障したい場合に、がん保険は最適な法人保険です。
寝たきりや認知症に備える介護保障保険
介護保障保険とは、寝たきりや認知症など、所定の要介護状態に陥った場合に保険金が受け取れる法人保険のことです。
要介護状態と聞くと、高齢者の懸念事項とイメージする人もいるかもしれませんが、年齢に関係なく陥る可能性があります。
病気やケガが原因で、自由に身体を動かせなくなったり、思考力が低下したりするケースは十分あり得ます。
介護保障保険は、従業員や役員などが事業活動に従事できなくなる可能性を想定して、その保障を確保するための保険です。
介護保障保険は、以下の2種類に大別できます。
- 連動型:社会保険の介護保険で定められる要介護度と連動して給付が決まる
- 非連動型:保険会社が独自の基準を定めて保険金の給付を決める
公的介護保険制度でも、要介護状態への保障は用意されています。
しかし、限度額が設定されているなど十分な保障が得られない場合もあり、企業側の負担が発生する恐れがあります。
民間の介護保障保険に加入して、公的介護制度では不十分な保障を上乗せする利用方法が一般的です。
仕事ができない期間の所得を補償する所得補償保険
所得補償保険とは、何らかの要因で勤務できない期間の所得を補償する法人保険のことです。
仕事ができなくなる要因は、状況によってさまざまな理由が考えられます。
所得補償保険は、働けなくなる要因である病気やケガの保障ではなく、働けないために喪失してしまう所得を補償するのが主な目的です。
所得補償保険の被保険者は、従業員にも設定できます。
特定の人に付保する形式のみではなく、社員全員が被保険者となる団体保険の形式の商品を提供する保険会社もみられます。
保険会社によって、就業不能の原因ごとに保険金が下りる条件が異なる場合があるため、各商品の条件の理解が欠かせません。
主契約では補えない精神疾患が原因の就業不能など、特約の選択により幅広く補償を得られる商品もみられます。
所得補償保険を利用する際は、自社の状況に最適な商品や特約を選択して、もしもの事態に備えるとよいでしょう。
法人保険を比較する際に注目したい点
現在は、多数の保険会社が法人保険の商品を用意しています。
前述のとおり、損害保険や生命保険に加え、第三の保険も充実しています。
各社それぞれの趣向を凝らした保険商品を提供しており、選択肢が広いです。
利用者とすれば望ましい状況といえますが、一方で自社に適した保険商品を選ぶのが難しいと感じる人もいるでしょう。
法人保険を利用する際は、自社で補いたい部分を効率よく保障できるものを選ぶのが大切です。
法人保険を比較して選ぶ際の主な着眼点を、以下に3点紹介します。
- 保険付保によって得られる保障内容
- 損金に算入できる見込みの金額
- 解約時に受け取れる返戻金の返戻率
単に保険会社から勧められるから、あるいは支払保険料が安いからといった安直な判断はせず、自社にとって利点の多い保険内容かを十分に検討して導入を決めるのが理想的です。
保険付保によって得られる保障内容
法人保険を選ぶ際は、保険の付保によってどのような保障内容が得られるのかをしっかりと把握したうえで決めましょう。
保険の利用に得られる利点はさまざまありますが、そもそも保険とは懸念される事態が起こった時の備えや保障を得るために利用するものです。
保障内容が自社に合っていないと、高額の保険料を支払ってまで加入する意味がありません。
自社が抱える課題や弱いポイントを見極め、その部分を十分に保障できる保険を選択する必要があります。
保障内容を考慮する際は、他の保障内容と重複していないか確認するのも重要です。
日本には公的保障制度が用意されているため、民間の保険商品なしでも一定の保障が得られます。
公的保障のみで自社のリスクを補えるようであれば、民間の保険加入は不要と考えられます。
保険商品の保障内容を検討する際は、自社で補いたい部分を見極めながら、公的保障などすでに確保できている保障内容との重複を避けながら進めていくのが大切です。
損金に算入できる見込みの金額
法人保険を検討する際は、損金に算入できる見込みの金額を確認しましょう。
損金とは、前述のとおり法人税を計算する際に所得額から控除できる費用のことです。
損金を計上するほど法人税の負担を減らせるため、税務上重要な要素と考えられます。
法人保険を、もしもの保障を得ながら、節税対策として活用したいと考える経営者もいるのではないでしょうか。
しかし、法人保険の保険料全額が損金に算入できるというわけではありません。
損金として計上できる金額は、保険の内容によって異なっています。
全額損金算入が可能なものもあれば、保険料の2分の1あるいは3分の1のみ認められるなど、条件は多岐にわたります。
保険料の一部を資産計上し、分割で損金処理するといった、専門的な対応を求められる場合も多いです。
保険料の損金算入については、税理士など専門家と相談しながら対応するほうが無難でしょう。
解約時に受け取れる返戻金の返戻率
法人保険を選ぶ際は、解約時に得られる返戻金の返戻率にも注目するとよいでしょう。
法人保険を、もしもの時の保障を確保しながら、貯蓄や資産形成目的で利用する経営者もいるのではないでしょうか。
資産形成目的で法人保険を利用する場合は、解約返戻率について熟知したうえで保険加入を決める必要があります。
生命保険の養老保険は、もともと貯蓄性の高い保険商品であるため、解約返戻金のみでなく満期保険金が受け取れます。
終身保険も、一生涯の保障に加え貯蓄性も確保されているケースが一般的です。
途中解約を想定していないのであれば、解約返戻金について意識する必要はありません。
一方、定期保険は解約返戻金がタイミングによって大きく変動します。
初期から中期にかけて、解約返戻金の返戻率が高い時期があるものの、保険期間終盤にかけて急激に返戻率が落ちる場合が多々あります。
法人保険を資産形成目的でも利用する場合は、解約返戻金の返戻率も加味しながら選ぶのが重要です。
損害保険の中でおすすめの法人保険12選
法人保険のうち、損害保険は企業の業務展開上起こりうるトラブルに備えるための保険です。
前述のとおり補償内容は多岐にわたるため、自分の会社の不安要素や補償を強固にしたい部分に当てはまる保険を選ぶ必要があります。
自社の状況を十分に省みて、社内で検討を重ねたうえで適切な法人保険を選択しましょう。
法人保険のうち、損害保険の中でおすすめの商品を、以下に12種類紹介します。
保険会社 | 商品名称 | 損害保険の種類 | 特徴 |
三井ダイレクト損害保険 | 自動車保険 | 自動車保険 | 全国規模で事故対応に応じてもらえる |
三井住友海上 | 火災保険ビジネスキーパー | 火災保険 | 財物損害と休業損害から付保内容を選べる |
日新火災海上保険 | 財産補償保険MONO保険 | 動産総合保険 | 動産に関するあらゆる状態での補償を受けられる |
AIG損保 | 事業総合賠償責任保険(ALL STARs) | PL保険他 | 生産物賠償に加えて幅広い補償が得られる |
三井住友海上 | サイバー保険 | サイバー保険 | 法律相談から調査費用まで幅広く対応 |
東京海上日動 | サイバーリスク保険 情報漏えい限定補償プラン | 個人情報漏洩保険 | テレワーク中のリスクにも備えられる |
三井住友海上火災保険 | 会社役員賠償責任保険(D&O保険) | 役員賠償責任保険 | さまざまな法人形態に対応している |
損保ジャパン | 企業総合賠償責任保険(和文CGL) | 施設賠償責任保険他 | 施設賠償を含めた広範囲の補償を包括形式で得られる |
東京海上日動 | 請負業者賠償責任保険 | 請負業賠償責任保険 | 年間包括契約方式で格安による保険付保が可能 |
三井住友海上火災保険 | 運賠安心デリバリー | 受託者賠償責任保険 | 取扱貨物や運送事業の状況に応じた柔軟な特約設定が可能 |
東京海上日動 | 労働災害総合保険 | 労働災害総合保険 | 法定外補償保険および使用者賠償責任保険の2つの補償の組み合わせ |
東京海上日動 | 生産物回収費用保険(リコール保険) | リコール保険 | リコールに関連するあらゆる費用を補償 |
*2024年12月現在の情報です
ネット型で保険料を抑えられる三井ダイレクト損害保険 自動車保険
保険会社 | 商品名称 | 損害保険の種類 | 特徴 |
三井ダイレクト損害保険 | 自動車保険 | 自動車保険 | 全国規模で事故対応に応じてもらえる |
*2024年12月現在の情報です
三井ダイレクト損害保険の自動車保険は、2024年から法人向けに開始された自動車保険商品です。
三井ダイレクト損害保険は、全国規模でネットワークを持っている損害保険会社で、広い地域での事故事案に対応できます。
自動車事業を展開している企業にとっては、自動車事故のリスクは避けられません。
自動車ごとに付保する自賠責保険や任意保険に加えて、法人保険タイプの補償を加えるとよいでしょう。
三井ダイレクト損害保険の自動車保険では、営業車に対する保険付保が可能です。
黒ナンバーや緑ナンバーの貨物自動車にも適用できる保険で、自動車事業の経営者にも適しています。
インターネットを介して手続きが可能で、中間マージンをカットして低価格の保険料を実現しているのも特徴です。
自動車の保有台数が多い企業の場合、自動車保険料の負担が大きくなるため、少しでも安い保険料の商品を選ぶ必要があります。
三井ダイレクト損害保険の自動車保険であれば、事故時の補償の充実と安価な保険料を両立させられます。
事務所や工場などの補償を得られる三井住友海上火災保険 ビジネスキーパー
保険会社 | 商品名称 | 損害保険の種類 | 特徴 |
三井住友海上 | 火災保険ビジネスキーパー | 火災保険 | 財物損害と休業損害から付保内容を選べる |
*2024年12月現在の情報です
三井住友海上火災保険のビジネスキーパーは、事務所や工場など建物の補償を得られる火災保険タイプの法人保険です。
基本補償として、財物損害および休業損害のどちらか、あるいは両方を付保する選択ができます。
契約プランは4種類あり、各グレードで補償の充実ぶりが異なるため、自社に適した補償内容を選べます。
三井住友海上火災保険のビジネスキーパーでは、さらに複数のオプションが用意されており、事業形態に応じたリスクヘッジが可能です。
たとえば、借用物件の損壊に備えた借家人賠償リスク対応や、地震発生による営業不能に陥った場合の緊急的な費用の補償などができます。
付帯サービスも充実しており、被災設備の復旧支援サービスや気象情報アラートサービスなどが利用できます。
三井住友海上火災保険のビジネスキーパーは、補償内容のカスタマイズが可能である点と、便利に利用できる充実した付帯サービスが魅力の火災保険商品です。
動産の補償を広範囲に確保できる日新火災海上保険 財産補償保険MONO保険
保険会社 | 商品名称 | 損害保険の種類 | 特徴 |
日新火災海上保険 | 財産補償保険MONO保険 | 動産総合保険 | 動産に関するあらゆる状態での補償を受けられる |
*2024年12月現在の情報です
参考:日新火災海上保険公式HP
日新火災海上保険の財産補償保険MONO保険は、動産の補償が受けられる法人向け保険です。
同保険が対象となる動産は、以下が該当します。
- 営業用什器や備品
- 販売する予定の商品や製品
- 測量用の機器類
- 建築用機械
- 医療機器
- 楽器
このような物品以外にも、幅広い動産が対象となります。
火災や風災など自然災害はもちろん、盗難や破損といった幅広い原因による補償が得られるのも特徴です。
さらに、国内一円で補償が得られるため、保管中だけでなく使用途中や運搬中による損害も補償してもらえます。
新価補償の形式を採用しており、対象の動産と同等の物品を再取得するために要する額を基準に、補償金額が算出されます。
事業で利用している動産の損害を補償したい場合には、日新火災海上保険の財産補償保険MONO保険の利用を検討してみてください。
生産物品質補償を含めた広範囲の補償が得られるAIG損保 事業総合賠償責任保険(ALL STARs)
保険会社 | 商品名称 | 損害保険の種類 | 特徴 |
AIG損保 | 事業総合賠償責任保険(ALL STARs) | PL保険他 | 生産物賠償に加えて幅広い補償が得られる |
*2024年12月現在の情報です
参考:AIG損保公式HP
AIG損保の事業総合賠償責任保険(ALL STARs)は、生産物賠償責任保険を含んだ、広範囲の補償に対応した法人向け保険です。
ALL STARsでは、生産物に関する補償に加え、偶発的な対人対物事故や業務上の権利侵害などの事態にも対応できます。
さらに、国内の事業活動のみでなく海外で発生する事故や損害に対する補償を付与できるのも特徴です。
輸出した商品が海外で製品事故を起こした場合や、食品などのリコール等により被る損害に対しても補償範囲を拡大できます。
幅広く取り扱っている補償内容をすべて網羅する必要はなく、希望部分のみに限定してカスタマイズした契約内容に構成できるのも魅力です。
PL保険に加え、まとめて幅広い分野における補償を得ておきたい場合は、AIG損保の事業総合賠償責任保険(ALL STARs)の利用を検討してみてください。
事故対応から法律相談費用まで幅広く補償される三井住友海上 サイバー保険
保険会社 | 商品名称 | 損害保険の種類 | 特徴 |
三井住友海上 | サイバー保険 | サイバー保険 | 法律相談から調査費用まで幅広く対応 |
*2024年12月現在の情報です
参考:三井住友海上公式HP
三井住友海上のサイバー保険は、サイバー攻撃による被害に備える、サイバーリスク専用の法人保険です。
サイバー攻撃のリスクは年々増加し、会社の機密情報もデータ管理が主流となっているため、サイバー保険の重要性が注目されています。
三井住友海上のサイバー保険は、利用者のニーズに合わせて、3種類のプランから選択が可能です。
サイバー攻撃を受けた際の損害補償はもちろん、トラブルに関連して弁護士に法的な相談をする費用やサイバー攻撃の実態調査にかかる費用など、幅広い補償に対応できます。
同社が提供する見守るサイバー保険と合わせて利用すると、より高いサイバー攻撃に備えられるでしょう。
データセキュリティの重要性が高まっている昨今において、三井住友海上のサイバー保険のようなサイバー被害に備える法人保険は、さらに需要が高まっていくと考えられます。
テレワーク中のリスクにも備えられる東京海上日動 サイバーリスク保険 情報漏えい限定補償プラン
保険会社 | 商品名称 | 損害保険の種類 | 特徴 |
東京海上日動 | サイバーリスク保険 情報漏えい限定補償プラン | 個人情報漏洩保険 | テレワーク中のリスクにも備えられる |
*2024年12月現在の情報です
参考:東京海上日動公式HP
東京海上日動のサイバーリスク保険情報漏えい限定補償プランは、企業の情報漏洩リスクに備える法人保険です。
企業が扱う個人情報は、漏洩した場合の損害が大きいため、個人情報の漏洩に備える保険は近年重要度が増しています。
情報漏洩の可能性は日々の業務においても発生する可能性があり、補償の備えは不可欠なものとなっています。
東京海上日動のサイバーリスク保険情報漏えい限定補償プランでは、テレワーク中の損害に対する補償も得られるのが特徴です。
個人情報漏洩に加え、ネットワークの中断により営業停止に陥って被った利益損害についても補償されます。
サイバー攻撃への対応費用やデータの復旧に要する費用なども基本プランに含まれているため、情報の取り扱いに関して手厚い備えが得られます。
東京海上日動のサイバーリスク保険情報漏えい限定補償プランのような個人情報漏洩に備える保険は、今後ますます注目度が高まっていくでしょう。
さまざまな法人形態に対応している三井住友海上火災保険 会社役員賠償責任保険(D&O保険)
保険会社 | 商品名称 | 損害保険の種類 | 特徴 |
三井住友海上火災保険 | 会社役員賠償責任保険(D&O保険) | 役員賠償責任保険 | さまざまな法人形態に対応している |
*2024年12月現在の情報です
三井住友海上火災保険の会社役員賠償責任保険(D&O保険)は、役員や会社そのものに対する損害賠償に備えられる法人保険です。
近年は、会社に対する社会的要請が増えてきており、社会に対して果たす責任も増加しています。
会社役員が抱える責務の程度および範囲が広がっている昨今、会社役員の賠償責任に対応する保険の重要性は増しているといえます。
三井住友海上火災保険の会社役員賠償責任保険(D&O保険)では、役員本人に対する損害賠償に加え、会社に対する賠償にも備えられるなど広範囲の補償が受けられるのが特徴です。
損害賠償金に加え、訴訟に要する費用や各種調査や手続きに要する費用の補償も得られます。
役員に対する賠償の影響が増している中、三井住友海上火災保険の会社役員賠償責任保険(D&O保険)のような保険が注目度が増している法人保険といえるでしょう。
幅広い補償を包括形式で得られる損保ジャパン 企業総合賠償責任保険(和文CGL)
保険会社 | 商品名称 | 損害保険の種類 | 特徴 |
損保ジャパン | 企業総合賠償責任保険(和文CGL) | 施設賠償責任保険他 | 施設賠償を含めた広範囲の補償を包括形式で得られる |
*2024年12月現在の情報です
参考:損保ジャパン公式HP
損保ジャパンの企業総合賠償責任保険(和文CGL)は、日本国内の事業活動における第三者賠償リスクを包括的に補償できる法人保険です。
施設賠償責任保険としての役割はもちろん、請負業務遂行リスクや生産物リスクなど広範囲の損害賠償にも対応できます。
幅広い損害賠償に包括形式で保険付保するため、個別に複数の保険を利用するよりも格安で補償が得られます。
施設設備の不具合や不十分な管理によって発生する事故に備えられるもので、工場や倉庫を保有する事業者に適した保険です。
契約時には、事業内容や施設の保有状況および過去の事故情報を伝えたうえで最適な保険内容を提案してもらえます。
施設の不備などが原因で発生する事故に備えたい場合は、損保ジャパンの企業総合賠償責任保険(和文CGL)の利用を検討しましょう。
年間包括保険料方式で格安の東京海上日動 請負業者賠償責任保険
保険会社 | 商品名称 | 損害保険の種類 | 特徴 |
東京海上日動 | 請負業者賠償責任保険 | 請負業賠償責任保険 | 年間包括契約方式で格安による保険付保が可能 |
*2024年12月現在の情報です
参考:東京海上日動公式HP
東京海上日動の請負業者賠償責任保険は、請負業の中で発生する損害賠償に備えられる法人保険です。
作業の遂行に起因する対人対物事故の賠償責任だけでなく、弁護士費用や被害者への損害賠償にも対応しています。
自社の事故のみでなく、起用業者である下請負者の事故についても補償できるため、請負事業全般的な幅広いリスクに備えられるのが特徴の保険です。
保険料の支払いは、年間包括契約方式が選択可能で、格安の保険料で補償が得られます。
年間包括契約方式には、保険付保の手配漏れを防いだり事務的な手間を軽減したりできる利点があります。
建設工事や土木工事などの請負事業を担っている企業にとって、請負業賠償責任保険は付保しておきたい保険です。
東京海上日動の請負業者賠償責任保険は、費用負担を抑えながら広範囲の補償を確保できる点で優れています。
状況に応じた柔軟な契約内容の設定ができる三井住友海上火災保険 運賠 安心デリバリー
保険会社 | 商品名称 | 損害保険の種類 | 特徴 |
三井住友海上火災保険 | 運賠安心デリバリー | 受託者賠償責任保険 | 取扱貨物や運送事業の状況に応じた柔軟な特約設定が可能 |
*2024年12月現在の情報です
三井住友海上火災保険の運賠安心デリバリーは、運送業や倉庫業など顧客からの貨物受託をする会社に適した法人保険です。
受託貨物の破損や盗難および水害などの賠償事項を補償する、受託者賠償責任保険に分類されます。
受託貨物の種類や物量などを考慮して、支払限度額や免責金額を決定できる柔軟性の高い保険です。
選択できるオプションが充実し、検査費用や第三者賠償責任などを追加で補償できます。
さらに、補償する貨物の種類や車両を特定して保険料を抑える契約も可能です。
三井住友海上火災保険の運賠安心デリバリーは、自由度が高く選択できるオプションも多数用意されているカスタマイズ性の高い法人保険といえるでしょう。
2種類の補償が組み合わされた東京海上日動 労働災害総合保険
保険会社 | 商品名称 | 損害保険の種類 | 特徴 |
東京海上日動 | 労働災害総合保険 | 労働災害総合保険 | 法定外補償保険および使用者賠償責任保険の2つの補償の組み合わせ |
*2024年12月現在の情報です
参考:東京海上日動公式HP
東京海上日動の労働災害総合保険は、従業員の労働災害の損失を補償するための法人保険です。
法定外補償保険および使用者賠償責任保険の2つの補償が組み合わされ、両方の補償を得るのも片方のみの選択もできます。
法定外補償保険とは、労働者の労災事故に対して、企業が政府労災保険の上乗せで補償をする際の損害を補う保険のことです。
使用者賠償責任保険とは、労災事故における労働者への補償につき、法律上の損害賠償責任の損害を補う保険のことを指します。
東京海上日動の労働災害総合保険を利用するには、政府労災保険への加入が条件となります。
通勤災害や起用業者である下請負者の事故を補償するなど、オプションの設定により補償範囲の拡大が可能です。
従業員などの労働災害の損害補償を手厚くしたい場合に、東京海上日動の労働災害総合保険は適しているでしょう。
リコールに関するさまざまな費用を補償する東京海上日動 生産物回収費用保険(リコール保険)
保険会社 | 商品名称 | 損害保険の種類 | 特徴 |
東京海上日動 | 生産物回収費用保険(リコール保険) | リコール保険 | リコールに関連するあらゆる費用を補償 |
*2024年12月現在の情報です
参考:東京海上日動公式HP
東京海上日動の生産物回収費用保険(リコール保険)は、販売した製品や商品でリコールが発生した場合の各種損害を補償する法人保険です。
対人対物事故の恐れがある自社の製品や商品を回収する費用に加え、他社が回収作業を行った際の賠償請求にも対応できます。
さらに、信用回復のために行う広告宣伝費用やリコール処理に関連するコンサルティング費用の補償も対象です。
リコールに関連する、あらゆる費用を補償できる範囲の広さが特徴として挙げられます。
製造品のみでなく、飲食品や医薬品にも適用できる保険で、各種メーカーの企業が利用しています。
リコールに関連する費用の補償を得たい場合は、東京海上日動の生産物回収費用保険(リコール保険)のようなリコール保険タイプの法人保険を利用しましょう。
生命保険の分類におけるおすすめの法人保険11選
生命保険タイプの法人保険を利用している企業は、多数あります。
従業員や経営層の万一の事態に備えて、生命保険を付保している経営者もいるでしょう。
従業員向けに、福利厚生の充実ぶりをアピールする効果もあり、人材確保に有利に働く面も見逃せません。
法人保険のうち、生命保険に分類されるものの中から、特におすすめの商品を以下に11種類紹介します。
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
日本生命保険 | 長期定期保険 | 定期保険 | 長期間の死亡保障の確保が可能 |
東京海上日動あんしん生命 | あんしんプレミアム定期 | 定期保険 | 2種類のコースから自社に合ったほうを選択できる |
エヌエヌ生命 | 定期保険クオリティ | 定期保険 | 状況に応じて保険期間を設定できる |
第一生命保険 | 長期定期保険 サクセス | 定期保険 | 長期にわたり定額の保障が得られる |
朝日生命保険 | プレステージ | 定期保険 | 経営者の不在に備えた幅広いニーズに対応 |
FWD富士生命 | 生活障がい定期 | 定期保険 | 短期間で解約返戻金のピークを迎える |
ソニー生命 | 養老保険 | 養老保険 | 高い貯蓄性が魅力の養老保険 |
SOMPOひまわり生命保険 | 養老保険 | 養老保険 | 特約が充実していて選択肢が広い |
三井住友海上あいおい生命保険 | 定期保険 100歳満了タイプ | 定期保険 | 最長100歳までの長期保障設定が可能 |
ソニー生命保険 | 二ューエグゼクティブライフ 平準定期保険 無配当 | 定期保険 | 高額保障と長期間の保障期間設定が可能 |
東京海上日動あんしん生命 | 終身保険(無配当) | 終身保険 | 一生涯の保障を得られる終身保険タイプ |
*2024年12月現在の情報です
長期間の死亡保障が確保できる日本生命保険 長期定期保険
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
日本生命保険 | 長期定期保険 | 定期保険 | 長期間の死亡保障の確保が可能 |
*2024年12月現在の情報です
参考:日本生命保険公式HP
日本生命保険の長期定期保険は、長期の死亡保障を確保したい場合に適した定期保険タイプの法人保険です。
保険期間が長期にわたるため、支払保険料の中から保険会社側で積み立てをする責任準備金の割合が大きい特徴をもちます。
責任準備金の割合が大きいと、保険会社が破綻した場合の補償が手厚くなるため、もしもの時にも保険料支払いがすべて無駄になる恐れはありません。
日本生命保険の長期定期保険は、経営者を被保険者とするのが一般的です。
経営者が死亡した際に保険金が法人あてに一時金の形式で下りるため、死亡退職慰労金や事業承継資金として活用できます。
契約貸付制度を利用すると、支払保険料の金額に応じて低利での貸し付けを受ける制度もあります。
さらに、払済保険の形式で終身保険への切り替えも可能です。
会社役員の死亡リスクに備え、長期の保障を得たい場合に、日本生命保険の長期定期保険を利用しましょう。
2種類のコースから選択できる東京海上日動あんしん生命 あんしんプレミアム定期
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
東京海上日動あんしん生命 | あんしんプレミアム定期 | 定期保険 | 2種類のコースから自社に合ったほうを選択できる |
*2024年12月現在の情報です
東京海上日動あんしん生命のあんしんプレミアム定期は、経営者が不在となった場合の企業経営の安定と事業承継の保障確保を目的とした、定期タイプの法人保険です。
被保険者は経営者であるケースが多く、死亡保障に加え三大疾病や各種障害および介護状態に備えた保障が得られます。
解約返戻金の有無により、有解約返戻金型のⅠ型と無解約返戻金型のⅡ型の2種類のコースがあります。
Ⅰ型の場合は、解約返戻金を役員退職慰労金として活用するなど貯蓄目的での利用も可能です。
さらにⅠ型の場合は、契約者貸付制度の活用や、払済保険として終身保険への切り替えもできます。
Ⅱ型の場合は保険料負担が抑えられ、事業経営面で費用負担が重荷になる場合に適しています。
東京海上日動あんしん生命のあんしんプレミアム定期であれば、死亡保障を含めた経営者のもしもの事態に備えながら、役員退職慰労金の準備としても活用できるでしょう。
状況に応じて保険期間を設定できるエヌエヌ生命 定期保険クオリティ
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
エヌエヌ生命 | 定期保険クオリティ | 定期保険 | 状況に応じて保険期間を設定できる |
*2024年12月現在の情報です
参考:エヌエヌ生命公式HP
エヌエヌ生命の定期保険クオリティは、経営者の万一に備えられる定期タイプの法人保険です。
経営者が死亡、または高度障害状態になった場合に保険金が受け取れます。
保険期間を自由に設定して、必要な期間に限定して保障を得られるのが特徴です。
保険金の使用用途は、事業継続用の資金や死亡退職金および弔慰金など、さまざまな方法が想定できます。
保険料の金額が増えるほど割引幅が大きくなる仕組みになっているため、高い保障を付保するほど保険料の負担割合を下げられます。
さらに、被保険者の健康状態によって保険料の割引を受けられる制度も活用可能です。
健康状態が悪くなった場合でも、同様の保険内容で自動更新できる仕組みもあります。
必要な期間で保障を得て、事業継続などさまざまな目的で利用できる資金確保を目指す場合に、エヌエヌ生命の定期保険クオリティが活用できます。
長期にわたり定額の保障が得られる第一生命保険 長期定期保険 サクセス
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
第一生命保険 | 長期定期保険 サクセス | 定期保険 | 長期にわたり定額の保障が得られる |
*2024年12月現在の情報です
参考:第一生命保険公式HP
第一生命保険の長期定期保険サクセスは、保険期間中に定額の保障が得られる定期タイプの法人保険です。
保険料払込期間中は一定額の保障が得られるため、長期にわたり高い水準で役員の万一に備えられます。
解約のタイミングによっては解約返戻金が受け取れ、勇退退職金の準備としても活用できます。
特約は、保険料払込免除とリビングニーズ特約の2種類の用意があり、希望により適用が可能です。
保険料払込免除とは、三大疾病など被保険者が一定の状態になった場合に、以降の保険料払い込みが免除される仕組みのことを指します。
リビングニーズ特約とは、余命6カ月以内と宣告された場合に、死亡保障の保険金が受け取れる仕組みのことです。
第一生命保険の長期定期保険サクセスは、期間中一定の保障を得たい場合や、役員の勇退退職金負担に備えたい場合に適しています。
経営者不在に備えたさまざまなニーズに対応できる朝日生命保険 プレステージ
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
朝日生命保険 | プレステージ | 定期保険 | 経営者の不在に備えた幅広いニーズに対応 |
*2024年12月現在の情報です
参考:朝日生命保険公式HP
朝日生命保険のプレステージは、経営者に万一の事態が起こった場合に備えるため、さまざまなニーズに対応している定期タイプの法人保険です。
被保険者である経営者や役員が万一の際は、死亡保険金を受け取って借入金返済や買掛金支払など、事業を継続するための資金として活用できます。
事業資金が不足する場合は、解約返戻金の範囲内で、低利での融資が受けられるのも魅力です。
朝日生命保険のプレステージには、数多くの特約が用意され、必要な分のみ基本契約に加えられます。
たとえば、以下のような特約が利用可能です。
- 災害割増特約:災害が原因の死亡や高度障害を追加で保障
- 災害入院特約:災害が原因で入院した場合の入院給付金を受領
朝日生命保険のプレステージを利用すると、特約を含め幅広いニーズに対応できるため、理想的な保障内容が得られます。
解約返戻金により資産形成目的にも活用できるFWD富士生命 生活障がい定期
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
FWD富士生命 | 生活障がい定期 | 定期保険 | 短期間で解約返戻金のピークを迎える |
*2024年12月現在の情報です
参考:FWD富士生命公式HP
FWD富士生命の生活障がい定期は、経営者の死亡保障や重篤な状態に陥り働けなくなった場合の法人保険です。
死亡保障に加え、がんや心筋梗塞など所定の状態と認定された場合に、保険金の受け取りができます。
解約返戻金は、5~10年程度の短い期間で最大になるため、保険による保障を得ながら資産形成の一環として利用するのもよいでしょう。
FWD富士生命の生活障がい定期を利用すると、FWD富士生命健康相談サービスを無料で受けられるのも特徴の1つです。
技術と知識が豊富なセカンドオピニオンの紹介を受けられるため、質の高い医療を受けたい場合に最適な医療機関を紹介してもらえます。
役員の健康についての保障を確保しながら、資金形成の方法を採用したいと考える場合は、WD富士生命の生活障がい定期をぜひチェックしてみてください。
もしもの保障を得ながら高い貯蓄性を備えるソニー生命 養老保険
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
ソニー生命 | 養老保険 | 養老保険 | 高い貯蓄性が魅力の養老保険 |
*2024年12月現在の情報です
参考:ソニー生命公式HP
ソニー生命の養老保険は、もしもの時の保障を得ながら貯蓄性が高く資産形成目的で利用できる、養老保険タイプの法人保険です。
一定期間の死亡保障および高度障害保障を確保しながら、満期を迎えると満期保険金を受け取れます。
ソニー保険では、一般的な養老保険に加えて、特殊養老保険という商品を用意しています。
一般的な養老保険は、契約開始時から一定の保障が確保できる保険商品です。
一方、特殊養老保険は契約期間前半は保障が半額で、無事満期を迎えると満額の保険金を受け取れます。
特殊養老保険のほうが支払保険料の負担を抑えられるため、費用を節約したい場合に有効です。
保険料の支払い方式は、月払いだけでなく年払いや半年払いも選択できます。
満期保険金の受取方法も一時金のみでなく年金形式を選択できるなど、自由度の高い養老保険です。
特約の種類が豊富で希望に合わせた契約ができるSOMPOひまわり生命保険 養老保険
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
SOMPOひまわり生命保険 | 養老保険 | 養老保険 | 特約が充実していて選択肢が広い |
*2024年12月現在の情報です
SOMPOひまわり生命保険の養老保険は、もしもの時の保障と資産運用を並行して行える養老保険タイプの法人保険です。
SOMPOひまわり生命保険では、以下の2種類の基本契約から選択できます。
- 無配当養老保険
- 5年ごと利差配当付養老保険
無配当のほうが保険料が安いため、費用負担を抑えられる反面、配当金の受け取りはありません。
特約の種類が充実しているのも、SOMPOひまわり生命保険の養老保険の特徴です。
以下のような特約が用意されており、自由に追加できます。
- 定期保険特約:死亡保障の上乗せ
- 災害死亡特約:不慮の事故の保障対応
- リビングニーズ特約:余命6ヵ月以内の場合に保険金を満額受け取り
保険金額が1,000万円を超えると、保険料の高額割引制度が適用されるなど、利用方法によりお得な保険付保が可能です。
豊富な特約を活用しながら、保障と資産運用を同時に行いたい場合に、SOMPOひまわり生命保険の養老保険が適しています。
最長100歳までの長期保障の設定が可能な三井住友海上あいおい生命保険 定期保険 100歳満了タイプ
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
三井住友海上あいおい生命保険 | 定期保険 100歳満了タイプ | 定期保険 | 最長100歳までの長期保障設定が可能 |
*2024年12月現在の情報です
三井住友海上あいおい生命保険の定期保険100歳満了タイプは、長期間の保障設定ができる定期タイプの法人保険です。
被保険者は役員で、最長100歳までの保障期間設定が可能であるため、長期的に会社で活躍する経営者の保障を得る際に適しています。
死亡保険金は、当該役員の死亡退職金や弔慰金の財源として活用可能です。
被保険者の役員が引退した場合は、解約返戻金を勇退退職金の財源にもできます。
一定の要件を満たすと、解約返戻金の範囲内で低利での貸し付けが受けられるのも魅力です。
保険料払い込みが困難になった場合には払済保険に切り替えて終身保険として活用もできるなど、状況に応じた柔軟な利用方法があります。
長期的に役員の保障をもちたい場合には、三井住友海上あいおい生命保険の定期保険100歳満了タイプの活用を検討しましょう。
高額の保険金額と長期保障が魅力のソニー生命保険 二ューエグゼクティブライフ 平準定期保険 無配当
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
ソニー生命保険 | 二ューエグゼクティブライフ 平準定期保険 無配当 | 定期保険 | 高額保障と長期間の保障期間設定が可能 |
*2024年12月現在の情報です
参考:ソニー生命保険公式HP
ソニー生命保険の二ューエグゼクティブライフ平準定期保険無配当は、高額の保険金額設定と長期の保障期間が得られる定期タイプの法人保険です。
最大7億円までの保障の設定が可能で、事業保障目的の保険として適しています。
保障期間は、被保険者の役員が99歳になるまで設定が可能で、長期的に補償を得たい場合でも活用できます。
解約するタイミングによっては、高額の解約返戻金が得られるのも特徴です。
当該役員が引退する場合の勇退退職金を支払うための資金として、解約返戻金を活用する方法もあります。
保険金額が高額になるのに伴い、保険料も高額になるのが一般的です。
少しでも保険料を抑えるには、被保険者が喫煙しない場合に適用できる喫煙リスク区分型を選ぶと格安の保険料設定ができます。
役員に対して高額の保障を長期間付保したい場合には、ソニー生命保険の二ューエグゼクティブライフ平準定期保険無配当をチェックしてみてください。
一生涯の保障を得られる東京海上日動あんしん生命 終身保険(無配当)
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
東京海上日動あんしん生命 | 終身保険(無配当) | 終身保険 | 一生涯の保障を得られる終身保険タイプ |
*2024年12月現在の情報です
東京海上日動あんしん生命の終身保険(無配当)は、所定の期間に保険料支払いをすると一生涯一定の保障が得られる終身タイプの法人保険です。
被保険者は会社の役員や経営者で、契約者および保険金受取者は法人になります。
終身保険タイプのため、もしもの保障に加えて貯蓄性の高い商品です。
解約返戻率が高く設定され、急遽資金が必要になる場合には解約をして資金を得る方法もあります。
東京海上日動あんしん生命の終身保険(無配当)は、被保険者の役員が在任中に、万一の事態に陥った場合の事業保障資金を確保するのが基本的な運用方法です。
死亡退職金や弔慰金の財源として、活用する事例も多数あります。
解約返戻金の範囲で、低利での借り入れが可能なため、融資の担保として活用する方法も可能です。
終身タイプの法人保険を希望する場合は、東京海上日動あんしん生命の終身保険(無配当)の内容が適しています。
第三の保険の中でおすすめの法人保険7選
第三の保険も、目的に見合った活用ができる優れた保険です。
従業員や経営陣の病気に備え、保障を手厚くできる保険が用意されています。
福利厚生の充実や、役員の急な病に備えるなど、目的に見合った保険内容を選択しましょう。
第三の保険のうち、特におすすめできる法人保険を以下に7種類紹介します。
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
SOMPOひまわり生命 | 健康のお守り | 医療保険 | 特約の種類が多く内容も充実している |
エヌエヌ生命 | 終身ガン保険(10) | がん保険 | 医師による審査なしで申し込みできる |
FWD生命 | 新がんベスト・ゴールドα | がん保険 | がん治療に関連するサポートが手厚い |
朝日生命保険 | ツインステージ 返戻金なし型 | 介護保険 | 介護の保障に加え死亡保障にも対応 |
エヌエヌ生命 | 就業不能保障保険IV型 | 所得補償保険 | 特約により精神疾患の保障を付与できる |
三井住友海上あいおい生命保険 | 新医療保険Aプレミア | 医療保険 | 特約設定により幅広い保障を付与できる |
アフラック | ちゃんと応える医療保険EVER | 医療保険 | 短期入院に対する保障が手厚い |
*2024年12月現在の情報です
特約の種類と内容が充実しているSOMPOひまわり生命 健康のお守り
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
SOMPOひまわり生命 | 健康のお守り | 医療保険 | 特約の種類が多く内容も充実している |
*2024年12月現在の情報です
SOMPOひまわり生命の健康のお守りは、被保険者が経営者や役員で、保険金受取者が法人となる医療保険タイプの法人保険です。
一般的な医療保険よりも保障内容が充実しており、手厚い保障が受けられます。
たとえば、病気やケガによる入院をする場合、1日当たり20,000円の保険金受け取りが可能なプランが利用できます。
SOMPOひまわり生命の健康のお守りは、特約の種類と内容の充実している点が特徴です。
新三大疾病やがんおよび介護状態などの保障を、特約を設定して手厚くできます。
経営者の病気やケガにより売上の減少や資金繰りの悪化を招いた場合でも、SOMPOひまわり生命の健康のお守りであれば、充実した保障内容でカバーできるでしょう。
経営者や役員の医療面の保障に加え、事業継続資金の確保を目的として活用できる、保障内容が充実した保険商品です。
医師による審査なしで申し込みできるエヌエヌ生命 終身ガン保険(10)
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
エヌエヌ生命 | 終身ガン保険(10) | がん保険 | 医師による審査なしで申し込みできる |
*2024年12月現在の情報です
参考:エヌエヌ生命公式HP
エヌエヌ生命の終身ガン保険(10)は、主にがんに対する保障を得られる法人保険です。
終身保険タイプで、一生涯保障が継続します。
エヌエヌ生命の終身ガン保険(10)の特徴として、医師による審査なしで簡単な手続きにより申し込みできる点が挙げられます。
医師の審査は不要で、告知のみでよいため、事務的な手間を省けるのは利点です。
役員と従業員が被保険者となり、がんの保障を獲得できる保険で、従業員に対する福利厚生の充実を目的にして利用もできます。
従業員の雇用維持や、新入社員の採用においても有利に働くでしょう。
解約返戻金の範囲内で契約者貸付も利用できるため、資金繰りにも活用できます。
終身保険タイプであり、解約返戻金が高く設定されているので、貸付可能金額も高額になる事例がみられます。
役員や従業員のがんに備えながら、福利厚生や資金繰りについて考慮したい場合には、エヌエヌ生命の終身ガン保険(10)をチェックしてみてください。
がん治療における手厚いサポートが受けられるFWD生命 新がんベスト・ゴールドα
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
FWD生命 | 新がんベスト・ゴールドα | がん保険 | がん治療に関連するサポートが手厚い |
*2024年12月現在の情報です
参考:FWD生命公式HP
FWD生命の新がんベスト・ゴールドαは、がんに対する保障を目的とした法人保険です。
がんと診断された段階で一時金300万円を受け取れるため、がん治療開始前に十分な資金が得られます。
2年に1回を限度として、診断による一時金は無制限で何度でも受け取れます。
FWD生命の新がんベスト・ゴールドαは、特約の種類と内容が充実している点も特徴です。
たとえば、以下のようながん治療に関連する特約を設定できます。
- がん先進医療特約:先進医療にかかる医療費を最大2,000万円まで保障
- がん疼痛ケア給付金特約:疼痛緩和を目的とした入院費などを保障
- がん手術特約:がん治療を目的とした手術費用を保障
特約を活用すると、がん治療に関連する幅広いサポートを受けられるため、従業員に対して福利厚生の充実を提供できます。
がんに関連する保障を手厚くしたい場合には、FWD生命の新がんベスト・ゴールドαは適した商品です。
介護と死亡の両方の保障を同時に得られる朝日生命保険 ツインステージ 返戻金なし型
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
朝日生命保険 | ツインステージ 返戻金なし型 | 介護保険 | 介護の保障に加え死亡保障にも対応 |
*2024年12月現在の情報です
参考:朝日生命保険公式HP
朝日生命保険のツインステージ返戻金なし型は、介護と死亡の両方を同時に保障できる介護保険タイプの法人保険です。
要介護状態3以上、または死亡及び高度障害状態の場合に保険金が受け取れます。
保険金を最大3億円まで設定が可能で、役員や経営者のもしもの事態で、事業継続資金として活用できる充実した内容です。
保障内容は自由に設定できるため、会社の状況に応じて保険金額を決めるとよいでしょう。
買掛金の支払いや借入金返済の原資として活用したり、被保険者の退職金を支払う資金としたりできます。
解約返戻金がない分、保険料負担を抑えられるのも特徴です。
保険料の支払いは月払いのみでなく年払いも選択が可能であるため、状況に応じた最適な支払い方法を選択できます。
朝日生命保険のツインステージ返戻金なし型は、介護と死亡保障を両方バランスよく得たい場合に適した保険商品です。
特約設定で自由な保障設定が可能なエヌエヌ生命 就業不能保障保険IV型
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
エヌエヌ生命 | 就業不能保障保険IV型 | 所得補償保険 | 特約により精神疾患の保障を付与できる |
*2024年12月現在の情報です
参考:エヌエヌ生命公式HP
エヌエヌ生命の就業不能保障保険IV型は、経営者や従業員が病気やケガにより働けなくなった場合の所得補償を得られる法人保険です。
被保険者は経営者のみでなく従業員にも設定できるため、福利厚生の充実を目的にした利用もできます。
基本契約では、病気やケガが起因となって働けなくなった場合の所得補償が得られます。
特約の設定により精神疾患による就業不能にも対応できるなど、自由な保障設定が可能です。
給付金の受取方式には、以下の2つのプランが用意されています。
- 定額プラン:毎月の受取保険金が同額
- 前期抑制プラン:15回目以降の受取保険金が2倍になる
前期抑制プランのほうが、定額プランよりも保険料が割安に設定されるため、経費負担の軽減につながります。
エヌエヌ生命の就業不能保障保険IV型を活用すると、経営者のみでなく従業員の就業不能時の手厚い所得補償を受けられるでしょう。
特約の活用でがんや介護など幅広い保障が可能な三井住友海上あいおい生命保険 新医療保険Aプレミア
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
三井住友海上あいおい生命保険 | 新医療保険Aプレミア | 医療保険 | 特約設定により幅広い保障を付与できる |
*2024年12月現在の情報です
三井住友海上あいおい生命保険の新医療保険Aプレミアは、病気のリスクに幅広く対応できる医療保険タイプの法人保険です。
幅広い医療保障が得られる保険で、入院を伴う手術はもちろん外来での手術や集中治療室での治療も主契約に含まれています。
被保険者の設定は、役員や経営者のみでなく従業員にも設定できるため、福利厚生の充実にもつなげられます。
特約の選択により、がんや介護などを含めたさらに広い医療保障を得られるのも特徴です。
先進医療や女性特有の疾病に対する保障も特約により付与が可能で、目的や状況に応じた最適な保険契約を行なえます。
三井住友海上あいおい生命保険の新医療保険Aプレミアに加入すると、健康や医療および介護などに関連する相談を、電話により無料で受けられるサービスもあります。
医療機関の紹介状を発行してもらえるサービスなど、医療保障以上の価値のある商品といえるでしょう。
充実した医療保障を得たいと考える人は、三井住友海上あいおい生命保険の新医療保険Aプレミアをチェックしてみてください。
短期入院でも手厚い保障が受けられるアフラック ちゃんと応える医療保険EVER
保険会社 | 商品名称 | 保険の種類 | 特徴 |
アフラック | ちゃんと応える医療保険EVER | 医療保険 | 短期入院に対する保障が手厚い |
*2024年12月現在の情報です
参考:アフラック公式HP
アフラックのちゃんと応える医療保険EVERは、役員や経営者に加えて従業員に対する保障を付与できる医療保険タイプの法人保険です。
主契約で入院保障が得られる商品で、5日未満の入院で5日分の保険金が受け取れます。
通院ありプランと無しプランがあり、前者を選択すると最長30日まで通院給付金の受け取りが可能です。
特約が充実しているので、状況に応じて保障内容を選べます。
三大疾病に対する保障を付与できる特約が多く、払込免除や一時金など、選択肢が広いです。
タイミングによっては高額の解約返戻金が発生する保険であるため、被保険者を従業員にして、当該従業員が退職する際に退職金代わりに保険を譲渡できます。
保険契約を譲渡された従業員は、保障を継続するか解約して返戻金を受け取るかの選択が可能です。
アフラックのちゃんと応える医療保険EVERでは、短期入院における手厚い保障に加え、特約の選択次第で保障内容を自分好みにカスタマイズができます。
法人保険の利用にはさまざまな利点がある
法人保険の利用は、もしもの事態に備えられる点はもちろん、それ以外にも法人経営にとって多くの利点が得られます。
法人保険は、商品によって特徴や強みがさまざまなため、自社に見合った保険商品を選ぶのが大切です。
法人保険の利点について理解したうえで、自社にとって最大の効果が得られる商品を選びましょう。
法人保険の利用によって得られる利点として、主なものを以下に7点紹介します。
- 経営者の万一の事態に備えられる
- 経営層や従業員の退職金の原資として活用できる
- 事業承継や相続対策に活用できる
- 従業員の福利厚生を充実させる目的で使える
- 事業上での損害や自然災害などのリスクに備えられる
- 契約者貸付制度の活用が可能
- 支払保険料を損金算入できる税制が適用される
自社の状況をしっかりと把握し、法人保険の利点を生かせるように取り組みましょう。
経営者の万一の事態に備えられる
法人保険により、経営者に万一の事態が起こった場合に備えられます。
一般的に、経営者が事業に従事できなくなると、事業継続が難しくなります。
会社により経営者の立場や役割は異なるものの、突然の不在による影響は甚大です。
たとえば、取引先との関係性悪化により取り扱い案件が急激に減少する場合もあります。
金融機関との信頼関係が損なわれ、融資が打ち切りになり資金繰りが悪化する可能性もあるでしょう。
資金が不足し、起用業者への買掛金支払いや従業員への給与支払いが滞ってしまう事態に発展してしまいかねません。
法人保険のうち生命保険や医療保険に加入していると、万一の事態で法人名義で保険金を受け取れるため、事業継続が可能となります。
法人の事業活動は、資金がないと立ち行かなくなるのは明白です。
経営者の突然の離脱に備え、法人保険を付保して保障を得ておくのは、事業継続を考えるうえで重要性が高いといえます。
経営層や従業員の退職金原資として活用できる
法人保険は、経営層の役員や従業員のための退職金原資として活用できます。
退職金の支払いは、企業にとって資金繰りを大きく左右する要素です。
特に経営層が事業から退く際に支払う退職金は、高額になる場合が多くみられます。
法人保険の中には、解約返戻金が高額に設定できるものや、貯蓄性の高いものがあります。
養老保険の場合には、被保険者の存命に関係なく、満期保険金が受け取れるのも魅力です。
貯蓄性の高い保険の場合は、元本割れのリスクが少ないものがほとんどで、将来の資金準備を計画的に行えます。
資金が必要になるタイミングを図り、ちょうど満期を迎える保険商品を選ぶなど、効率のよい利用が可能です。
さらに、保険商品であるため、もしもの時の保障を確保しながら貯蓄ができます。
経営層の役員や従業員の退職金を支払うための原資を用意する目的で、法人保険を利用するのは有効な選択肢といえます。
事業承継や相続対策に活用できる
法人保険は、事業承継や相続対策にも活用可能です。
前経営者から事業を受け継ぐ際、資産状況によっては高額の相続税を納める義務が生じます。
納税するための現金が不足し、資金繰りに苦労する事例も多々あります。
経営者が死亡した際に受け取れる法人向け生命保険を付保しておくと、高額の相続税を納めるための資金が確保可能です。
さらに、相続税のみでなく経営者が亡くなって事業を受け継ぐ際には、資金が潤沢にないと苦労するケースもあります。
営業能力の高い経営者の場合は、いなくなるだけで得意先が離れて行ってしまうかもしれません。
経営者との信頼関係が築かれていた金融機関からは、信用を失って融資が打ち切られる恐れもあります。
事業を受け継いだ際の当座の資金として、法人保険で受け取る保険金を活用できるでしょう。
将来の事業承継や相続対策を考える際には、法人保険を選択肢に加えて検討してみるのも、よい考え方です。
従業員の福利厚生を充実させる目的で使える
法人保険は、従業員に対して福利厚生を充実させる目的でも活用が可能です。
法人保険のうち生命保険のなかには、死亡保険のみでなく弔慰金や入院費用の保障など、従業員の福利厚生の充実につながる保障内容もあります。
会社の従業員全員に付保する団体保険の場合は、保険料の多くを損金として計上が可能で、節税効果が得られます。
従業員にとっては、団体生命保険などにより保障が充実している環境での勤務は望ましいです。
福利厚生の充実は、新卒社員の募集をするうえでもセールスポイントとして働きます。
労働者側から見て、福利厚生の充実した職場は魅力的であると感じてもらえる可能性が高いです。
人材確保が難しい時代になっているため、よい労働環境の構築は優秀な人材を採用するためには欠かせません。
法人保険を活用して従業員に対する福利厚生を充実させて、安心感の醸成や優秀な人材の確保を目指しましょう。
事業上での損害や自然災害などのリスクに備えられる
法人保険により、事業を展開する中で発生する損害や自然災害などの幅広いリスクに備えられます。
前述のとおり、法人保険には生命保険や医療保険のみでなく損害保険も含まれます。
損害保険は、会社にもたらされる損害を補償するために利用できる保険商品です。
事業を営む中には、さまざまなリスクがつきもので、自然災害もいつ起こるのかわかりません。
特に、自社ビルや工場および倉庫を保有している企業にとっては、貴重な資産である不動産に損害が及ぶと多大な損失となってしまいます。
場合によっては、事業継続が難しくなるほどの甚大な被害を被ってしまう可能性もあります。
企業の業種によってさまざまなリスクが存在する中で、損害保険を上手に利用するとあらゆる事態への備えが可能です。
損害保険を利用する際は、種類が多岐にわたっているため、自社にとって重要度の高い部分を補える商品を選ぶとよいでしょう。
契約者貸付制度の活用が可能
法人保険により、契約者貸付制度が活用できます。
契約者貸付制度とは、付保している保険の解約返戻金の範囲内で、保険会社から低金利での貸し付けが受けられる制度のことです。
契約者貸付制度を利用すると、法人保険を解約せずに資金が確保できます。
保険契約を解約すると、その時点で算出される解約返戻金が得られますが、保険契約が解消されてしまいます。
一旦保険契約を解約した後に、再度同様の保険に加入しようとすると、以前よりも保険料が高額になるケースは珍しくありません。
生命保険の保険料は、被保険者の年齢が増すにつれて高額になるため、契約し直しにより保険料は高くなります。
融資を依頼する相手先として、銀行などの金融機関を連想する人もいるでしょう。
銀行などから融資を得るためには、一定の審査に通過する必要があり、時間もかかります。
一方、法人保険の契約者貸付であれば、解約返戻金が担保となるため無審査で確実に融資が受けられます。
資金不足の際の融資先を確保する目的で、法人保険を利用するのも賢い選択です。
支払保険料を損金算入できる税制が適用される
法人保険に加入した場合は、支払保険料を損金算入できる税制のおかげで、節税効果を得られます。
法人向け保険を付保するために支払う保険料は、損金に算入できる部分があります。
前述のとおり、損金算入によって所得金額が減るため、法人税の節税対策が可能です。
しかし、支払った全額が損金に算入できるというわけではありません。
保険の種類によって損金に含められる部分が定められています。
さらに、受取保険金や解約返戻金は、益金の扱いとなり会社の所得を増やしてしまいます。
法人保険の支払保険料によって得られる節税効果は、利用する保険の種類によっては限定的です。
節税効果を期待して法人保険に加入する場合は、どの程度の損金算入が可能であるのかをあらかじめ確認しましょう。
専門的な内容が多数の分野でもあるため、不安を覚える場合は税理士など専門家に相談しながら検討するのが理想的です。
法人保険の利用には配慮したい点も多い
以上のように、法人保険にはいくつかの利点があります。
事業継続や高額になる退職金への備えなど、会社にとっての重要な保障が確保できる商品です。
しかし、法人保険には同時に配慮したい点も多々存在します。
正確に理解しておかないと、思わぬ後悔につながりかねません。
法人保険を利用する際は、利点のみではなく欠点にも配慮して、総合的に判断する必要があります。
法人保険を利用する際に配慮したい点として、以下の6項目を中心に解説します。
- 保険料支払いが負担となる
- 解約返戻金が支払保険料を下回る可能性も
- 将来的に税制面の規制が強化される恐れ
- 死亡退職金規定を定める必要がある場合も
- 受取保険金や解約返戻金が益金扱いになる
- 経理処理が煩雑かつ難解になってしまう
法人保険の利用を決める前に、ぜひ参考にしてください。
保険料支払いが負担となる
法人保険に加入すると、当然ながら保険料支払いが発生します。
保険内容によっては、保険料支払いが負担となってしまい、事業継続の足かせとなる可能性があります。
法人保険の保険料支払いの方式としては、月払いが一般的です。
毎月一定額の保険料を支払う形式で、1回当たりの支払額を抑えられます。
しかし、手厚い保障の保険を付保すると、月額の支払い金額が高額になってしまいます。
会社のキャッシュフローを圧迫して、財務状況が苦しくなってしまうかもしれません。
もしもの保障を得るための保険が、会社の経営を揺るがしてしまわないよう、加入する保険の選択は慎重に行う必要があります。
資金に余裕がある場合は、保険料の支払い方式を月払いではなく年払いなど一括の払い方に切り替えるのもよいでしょう。
一時的な支出が増えるものの、通算でみると支払総額を抑える効果があります。
保険料支払いが重荷にならないよう、保障内容と費用負担のバランスを考慮しながら法人保険を選ぶのが大切です。
解約返戻金が支払保険料を下回る可能性も
解約するタイミングによっては、解約返戻金が支払保険料を下回る可能性があり、トータルで支払額の方が高くなる場合があります。
生命保険のうち定期保険は解約返戻金が少ない、あるいは無いケースが多数で、支払額が上回るのが一般的です。
養老保険や終身保険といった貯蓄性が高い保険商品の場合でも、解約するタイミング次第で解約返戻金が支払保険料よりも下回るケースがある点は理解しておきましょう。
解約返戻金の返戻率は、手続きをする時期によって異なります。
特に、契約から解約までの期間が短いと、解約返戻金が少ない場合が多いです。
貯蓄や資金運用目的で法人保険を利用する場合は、解約返戻金の推移について把握しておく必要があります。
保険会社に問い合わせると、現状の解約返戻金をその都度確認ができます。
解約手続きをする前に、解約返戻金がいくらになるのか確認するのがよいです。
将来的に税制面の規制が強化される恐れ
法人保険の保険料に対する税制面の規制が、将来的に強化される恐れがあります。
前述のとおり、法人保険で支払う保険料は、会社の経費として損金算入が可能です。
しかし、保険料の全額を損金に算入できるわけではなく、規定された範囲に限定されています。
以前は、法人保険の全額が損金算入できるのが一般的でした。
税制改正により、保険によって一部分のみに損金算入の範囲を限定する規制が設けられています。
将来的に、さらに厳しい規制が適用され、損金算入の部分が狭められるかもしれません。
場合によっては、損金算入が認められない法人保険が増えてくる恐れもあります。
法人保険を主に節税目的で利用したいと考える場合には、損金算入の枠が狭められるリスクについて理解しておく必要があります。
損金算入については、専門的な要素が多いため、税理士など専門家に相談しながら正しい税務処理を心がけましょう。
死亡退職金規定を定める必要がある場合も
法人保険のうち、生命保険を死亡退職金として活用する場合、死亡退職金規定を定めないといけない場合があります。
法人保険は、保険金の受取者は法人名義です。
そのため、法人が受け取った保険金を従業員に死亡退職金として遺族に支払うのが難しくなる場合があります。
法人保険を死亡退職金として運用したい場合には、社内の死亡退職金規定を定める必要があります。
もし死亡退職金に関連する規定を定めていないと、相続人全員の協議を経て保険金受取者を決定しないといけません。
遺族に死亡退職金がわたるまでに時間がかかったり、場合によっては相続の権利のある人の間でトラブルに発展したりする恐れがあります。
さらに、規定を整備していたとしても、会社の資金繰りの状況によっては遺族に死亡退職金を支払う資金不足に陥る恐れもあります。
法人保険を死亡退職金として活用する際は、規定の整備に加えて社内の資金繰りなど考慮が必要なポイントが多数になる点は理解しておきましょう。
受取保険金や解約返戻金が益金扱いになる
法人保険を利用して受け取った保険金や解約返戻金は、会社の税務処理上では益金扱いになります。
益金とは、法人税の計算をする際に、所得に加算される収益のことです。
益金が計上されると、所得金額が増えるため、納める法人税が高額になってしまいます。
法人保険の保険料支払いにより損金処理をして法人税の納税負担を抑えられても、最終的には保険金を受け取った際に益金が計上されるため、法人税が増えてしまう場合があります。
受取保険金や解約返戻金は、保険商品の内容によっては高額になるケースもあり得るため、保険金などを受け取った年度の法人税負担が大きくなってしまうでしょう。
法人保険を利用する際は、受け取る保険金や解約返戻金の規模を把握しておき、受取年度における税制上の負担が増える点を理解しておく必要があります。
経理処理が煩雑かつ難解になってしまう
法人保険に加入すると、関連する経理処理の煩雑さと難解さに困ってしまう人も多いです。
法人保険の保険料は、一定のルールに従って損金に算入できます。
保険料の損金算入に関しては細かなルールが設定されており、商品によって異なる処理方法で対応する必要があります。
損金に組み入れられる部分と、資産計上をして処理の繰り延べをする部分とに区分した処理が大切です。
さらに、受取保険金についても単純に受取時の益金算入処理のみではなく、残っている資産との相殺など、さまざまな処理方法があります。
細かいルールについては後述しますが、法人保険の導入により経理処理が複雑になってしまう点は否めません。
法人保険に加入する際は、税理士など専門家に相談できる体制を確保するなど、対応について検討しておく必要があるでしょう。
法人保険の節税効果は限定的
法人保険の保険料は、一定のルールにのっとって損金算入が可能です。
もしもの時の保障を確保しながら、保険料を損金算入して節税効果を得られるのは、法人保険の利点の1つとして紹介しました。
しかし、実際には法人保険の保険料を活用した節税効果は限定的といえます。
法人保険の保険料を、全額損金算入できると誤解している人がいるかもしれません。
実際には、保険の種類によって損金算入が可能な保険料の割合が定められています。
法人保険の節税効果を期待して契約を行うつもりの人は、実質的にどれほどの節税が得られるのか、しっかりとシミュレーションをしてから取り組むとよいでしょう。
法人保険の節税効果に関して、以下の3つの視点から解説をします。
- 2019年以前は高い節税効果が得られた
- 税制改正により節税効果は限定的になった
- 実質的には課税の繰り延べに過ぎないが資金活用の範囲は広がる
保険料の損金算入については、税理士など専門家と相談しながら対応し、誤った税務申告を行わないよう気を付けて処理する必要があります。
2019年以前は高い節税効果が得られた
法人保険による節税効果は、2019年以前は一定の効果が得られていました。
2019年以前は、法人保険料の全額あるいは2分の1など高い割合を損金算入できており、高い節税効果が得られる商品でした。
保険商品によっては、支払う保険料を損金算入して法人税の負担を軽減し、支払った保険料とほぼ同額の解約返戻金が得られます。
高い節税効果があると考え、積極的に利用する経営者が増えたのも事実です。
本来、法人保険は事業活動におけるリスクを保障するために利用します。
しかし、損金算入の割合が高かったために節税効果を目的に保険を利用する経営者が増えていました。
保険会社にしても、節税効果に特化した保険商品を積極的に打ち出し、多数の契約を獲得している背景があります。
国税庁は、法人保険の本来の目的から逸脱した、過度な節税効果を改善するべく税制改正に踏み切っています。
特に改正の手を加えられたのは、生命保険の定期保険と、第三の保険の医療保険です。
2019年の国税庁による税制改正により、それ以前の高い節税効果のある商品は姿を消しています。
税制改正により節税効果は限定的になった
2019年に実施された税制改正により、得られる節税効果は限定的になりました。
保険料支払い時に損金算入できる割合は、最高解約返戻率に応じて定められるルールが取り入れられました。
最高解約返戻率が高いほど、支払い時に損金算入できる割合が減少します。
損金算入できない部分については資産として計上し、定められたルールに基づいて経費に取り崩していく方式です。
損金算入できる部分と資産計上する部分の割合に関しては、後述します。
結果的に、2019年以前に比べて、保険料支払い時の節税効果が限定的になりました。
さらに、保険金や解約返戻金は受け取った年度の益金になるのは前述のとおりです。
保険料支払い時の節税効果が限定的になったのみでなく、さらに保険金受取時の益金の取り扱いは変わっていないため、実質的な節税効果は期待できません。
実質的には課税の繰り延べに過ぎないが資金活用の範囲は広がる
以上の内容から、法人保険における節税は、実質的には課税の繰り延べとなっています。
課税の繰り延べとは、特定の事情や手続きにより、税金の納税を先延ばしにする行為のことです。
法人保険の加入によって保険料を損金に算入したとしても、受取保険金や解約返戻金は益金扱いであるため課税対象となります。
保険料支払い時の税負担は軽減できるものの、保険金等受取時に税金が増えるため、実質的な納税額が減るわけではありません。
さらに、2019年の税制改正により保険料の損金算入額が減少したため、保険料支払い時に減税できる金額も減少しています。
法人保険の運用における節税効果は、長期的な視点でみると課税繰り延べの意味があるのみです。
しかし、受け取った保険金や解約返戻金を従業員向けの福利厚生を目的にした出費に利用すると、法人税計算時の損金算入となり所得を下げる効果が期待できます。
法人保険で節税効果を得たい場合は、保険の契約内容に加えて、受け取った保険金などの運用方法についても考慮しておくとよいでしょう。
法人保険料の会計処理は保険内容により異なる
前述のとおり、2019年の税制改正により、保険料は単に経費として処理するのみでなく、資産計上を要するようになりました。
2019年以前とは法人保険料の会計処理が変わっているため、正確に理解して正しく対処する必要があります。
法人保険の会計処理については、利用する保険の種類や内容によって変えていく必要があります。
専門的な部分が存在するため、税理士など専門家に相談するのがよいでしょう。
法人保険の会計処理について、以下の3点を中心にして解説します。
- 養老保険は受取人の設定により処理も変わる
- 解約返戻金が少ない定期保険等は原則全額損金算入
- 解約返戻率が高い保険の場合は最高解約返戻率により会計処理を変える
会計処理や税務処理については、国の方針により変化する可能性があります。
会計処理をする際には、最新情報を確認しながら正しい処理を心がけるのが大切です。
養老保険は受取人の設定により処理も変わる
養老保険の場合は、保険金および解約返戻金の受取人設定により会計処理を変える必要があります。
保険金等受取人と会計処理の関係は、以下のとおりです。
契約者(保険料負担者) | 死亡保険金の受取者 | 生存保険金の受取者 | 保険料の会計処理 |
法人 | 法人 | 法人 | 全額資産計上 |
法人 | 役員および従業員の遺族 | 役員および従業員本人 | 経費処理で損金算入可能(役員および従業員は課税給与の扱い) |
法人 | 役員および従業員の遺族 | 法人 | 50%資産計上、50%経費処理 |
養老保険は、貯蓄目的で利用できる保険でありながら、条件によっては保険料を損金算入できます。
しかし、保険金の受取人を法人にする場合には損金算入できないケースもあるため、節税効果は限定的です。
養老保険に加入した際は、保険金の受取人によって異なる会計処理を行いましょう。
解約返戻金が少ない定期保険等は原則全額損金算入
定期保険や第三の保険は、解約返戻金が少ないため、基本的に全額損金算入が可能です。
契約者(保険料負担者) | 死亡保険金の受取者 | 保険料の会計処理 |
法人 | 法人 | 100%経費処理で損金算入が可能 |
法人 | 役員および従業員またはその遺族 | 100%経費処理で損金算入が可能 |
原則的に損金算入が可能な定期保険ですが、支払回数の設定によっては資産計上で対応するケースがあります。
たとえば、5年の期間を保障する定期保険を一括で支払う場合は、現状の会計期間に該当する部分のみを損金算入するのが一般的です。
残り4年間の支払保険料は、前払費用として資産計上し、毎年次の会計期間が到来するタイミングで取り崩して損金に算入します。
企業によっては、いったん全額を前払費用として資産計上し、毎月1ヵ月に該当する部分を取り崩して経費処理するのも一般的でしょう。
定期保険や第三の保険は保険料を原則全額損金算入できますが、被保険者が健康であれば保険金が得られないため、掛け捨てになってしまいます。
解約返戻率が高い保険の場合は最高解約返戻率により会計処理を変える
最高解約返戻率が一定割合よりも高い場合は、その率に応じて会計処理を変える必要があります。
掛け捨て型の定期保険の場合は保険料が全額損金算入できる一方で、最高解約返戻率が50%を超える場合には一部または全額を資産計上するというルールがあります。
資産計上した部分は、保険の保障期間の後半まで経費計上の繰り延べが必要です。
しかし、以下の3つの条件を満たす場合は解約返戻金の蓄積度合いが相対的に低いと判断されて、保険料の全額を損金算入できます。
- 保険の保障期間が3年未満の保険契約
- 最高解約返戻率が50%以下の保険契約
- 最高解約返戻率が70%以下でかつ年換算保険料相当額が30万円以下の保険契約
年換算保険料相当額とは、保険料総額を保険保障期間の年数で割った金額のことです。
上記の条件を満たさない保険の場合は、解約返戻率によって資産計上部分と損金算入部分を変える必要があります。
解約返戻率による会計処理の違いは、以下のような条件で実施されます。
- 最高解約返戻率が50%超70%以下の場合
- 最高解約返戻率が70%超85%以下の場合
- 最高解約返戻率が85%超の場合
以下でそれぞれの区分における会計処理のルールを紹介するので、参考にしてください。
最高解約返戻率が50%超70%以下の場合
最高解約返戻率が50%超70%以下の場合は、次のようなルールで会計処理をします。
保険期間全体に対する割合 | 保険料の会計処理 |
保障開始~全体の40% | 支払保険料全体のうち40%が資産計上、60%が経費計上 |
40~75% | 支払保険料全額経費計上可能 |
75%~保険期間終了まで | 支払保険料全額経費計上に加え前半で計上した資産を均等に取り崩して経費計上 |
保険による保障期間の後半にかけて、損金算入額が増加してくる仕組みになっています。
保険期間の前半においては、節税効果は限定的である点は理解しておきましょう。
最高解約返戻率が70%超85%以下の場合
最高解約返戻率が70%超85%以下の場合は、以下のようなルールで会計処理をします。
保険期間全体に対する割合 | 保険料の会計処理 |
保障開始~全体の40% | 支払保険料全体のうち60%が資産計上、40%が経費計上 |
40~75% | 支払保険料全額経費計上可能 |
75%~保険期間終了まで | 支払保険料全額経費計上に加え前半で計上した資産を均等に取り崩して経費計上 |
50%超70%以下の場合よりもさらに、後半での損金算入額が増加しているのがわかります。
その分、保険期間の前半では損金算入できる額が少なくなっている点を理解しましょう。
最高解約返戻率が85%超の場合
最高解約返戻率が85%を超えている場合は、以下のようなルールで会計処理をします。
保険期間 | 保険料の会計処理 |
保険開始当初10年間 | 保険料×最高解約返戻率×90%は資産計上で残額を経費計上 |
11年目~年換算保険料に占める解約返戻金の増加額の割合が70%を超える期間 | 保険料×最高解約返戻率×70%は資産計上で残額を経費計上 |
上記以降 | 支払保険料全額経費計上に加え前半で計上した資産を均等に取り崩して経費計上 |
保険期間や解約返戻金の増加額によって、細かくルールが決められるため、判断が難しいです。
税理士など専門家に相談しながら、正しい税務処理ができるように心掛けましょう。
法人保険の活用によりさまざまなリスクに備えられる
法人保険への加入により、事業展開におけるさまざまなリスクに備えられます。
法人として事業を展開する中には、多くのリスクが潜んでいます。
場合によっては事業継続が困難になるほどの、影響の大きなトラブルに見舞われるかもしれません。
事業活動におけるさまざまなリスクに備えるために、法人保険は有効です。
法人保険を利用する際は、その効果や目的を明確にして、適切な契約内容を選択しましょう。
法人保険の利用目的や効果として、主な要素を以下に6点紹介します。
- 借入金に関するリスクヘッジ
- 連帯保証人の債務解消に活用
- 事業継続を目的としたリスクヘッジ
- 経営者の法人に対する貸付金のトラブル回避
- 役員退職金支払いにおける活用
- 事業承継や相続手続き時への備え
自社の課題を考慮したり、補強したい部分を検討したりして、最適な保険を見つけるのが大切です。
借入金に関するリスクヘッジ
事業活動の中で利用している借入金に対して、法人保険でリスクヘッジが可能です。
事業活動の中では、運転資金や事業拡大のために、金融機関から融資を受けるケースもあるでしょう。
金融機関からの借入金が残った状態で経営者にもしもの事態が起きると、関係各所に対する信頼度が下がり、さまざまな不利益を被る可能性があります。
たとえば、以下のようなリスクがあると考えられます。
- 仕入先から早期の現金決済を求められる
- 取引先から取引条件の変更を依頼される
- 金融機関からの追加融資が受けられなくなる
- 従業員に不安が募り退職者が増える
前経営者から事業を受け継いだ際は、借入金も相続しないといけません。
前経営者を被保険者とした法人保険に加入していると、もしもの際には保険金が受領できて借入金返済に充てられます。
引き継いだ事業を軌道に乗せる前に、経営が立ち行かなくなるリスクを想定して、借入金の対応については事前に検討しておくとよいでしょう。
連帯保証人の債務解消に活用
経営者がかかえる法人名義の借入金に対しては、連帯保証人として経営者本人が個人保証を負う事例が多くみられます。
もし経営者に万一の事態があり、相続が発生する場合は、連帯保証債務も相続する義務を負わないといけません。
経営者の死亡により経営が立ち行かず破綻した場合、相続人に借金の返済義務が発生するリスクがあります。
法人保険を活用すると、以上のような連帯保証人に関連するリスクヘッジが可能です。
被保険者を経営者にして、万一の事態には保険金が得られるようにしておくと、経営者が残した債務の返済に充てられます。
法人保険は、死亡保険金を法人名義で受け取れる保険のため、受け取った保険金は自由に活用可能です。
前経営者の時代に抱えた借金を返済すると、連帯保証人における債務保証の義務は解消されます。
経営者が会社において連帯保証として個人保証を行っている場合は、もしもの時に備えて法人保険を付保しておくとよいでしょう。
事業継続を目的としたリスクヘッジ
法人保険は、事業継続を目的としたリスクヘッジに活用できます。
経営者が死亡するなど、急に事業承継をする必要がある場合、会社の事業を継続するために資金が必要になります。
たとえば、経営者がいなくなると得意先からの受注が減り、一時的に売り上げが落ちるかもしれません。
収入が減っても、従業員に対する給料支払いや家賃および光熱水道費など、固定費の支払いは発生します。
法人保険で受け取った保険金は、事業を継続するために必要な費用の支払いに活用できます。
経営者が急にいなくなってから経営が再び安定するまでに、資金不足に陥る場合もあるでしょう。
法人保険を付保しておくと、いざというときに資金を確保できて、事業継続をスムーズに行えます。
経営者の法人に対する貸付金のトラブル回避
経営者が法人に対して資金を貸し付けていた場合に、相続人とのトラブルに発展するリスクがあります。
特に中小企業の場合には、事業を展開するために経営者が法人あてに資金を貸し付けているケースがみられます。
経営者が存命の間は、本人が経営している法人であるため、すぐに返済を迫られはしないでしょう。
しかし、経営者が亡くなって相続が発生した場合には状況が変化します。
相続人は、法人に対する貸付金も引き継ぐため、法人に対して急に返済を求めてくるかもしれません。
貸付金額によっては、会社の事業継続が難しくなるほどの影響を及ぼす場合もあります。
経営者からの借り入れが残っている場合には、法人保険で経営者を被保険者にすると、もしもの事態に備えられます。
保険会社から受け取った保険金を、借入金返済の原資としての活用が可能です。
会社の借入状況を確認し、経営者からの高額借り入れが残っている場合は、法人保険の活用を検討するとよいでしょう。
役員退職金支払いにおける活用
法人保険は、役員退職金の支払いに備えた活用ができます。
経営者や役員が退職をした際に支払う勇退退職金は、特別損失として処理するのが一般的です。
役員や経営者に支払う退職金は高額になる事例が多くみられるため、収支全体に与える影響が多大なものになる場合があります。
会社の収支状況によっては、退職金の費用計上により赤字に転落してしまうかもしれません。
会社の損益が赤字に転落すると、取引先からの信用が損なわれ、取引内容の見直しを迫られる可能性があります。
金融機関からの評価も低下する可能性があるため、追加融資ができなくなったり現在の借入金返済を早期に求められたりするケースもあります。
高額の解約返戻金を得られる法人保険を付保しておき、経営者の退職のタイミングで解約をすると、益金を獲得して収支の補填が可能です。
会社の収支を適正に保つ目的においても、法人保険の活用には大いに意義があります。
事業承継や相続手続き時への備え
事業承継や相続の手続きに備える目的で、法人保険が活用できます。
事業承継の際には、さまざまな手続きに伴って高額な資金が必要になります。
前述のとおり、経営者が亡くなった際には遺族への死亡退職金や借入金返済などの資金が必要です。
さらに、経営権を集中させるため、会社の自社株を取得する必要があります。
経営者が保有していた株式は、相続対象として相続人に配分されるのが一般的です。
相続によって経営権の分散が起こり、事業継続が難しくなってしまうリスクもあります。
法人保険を利用しておけば、経営者の死亡または勇退に合わせて潤沢な資金が獲得できます。
自社株の購入資金として活用し、経営権の集中を確保するのもよいでしょう。
事業承継や相続の事態を想定して、法人保険を活用するのもよい対策です。
自社に適した法人保険の正しい選び方を理解しよう
法人保険には、事業承継や資金確保などさまざまな利点があります。
法人保険の種類も豊富にあるため、自社に見合った商品を選ぶのが大切です。
現在は、さまざまな保険会社が各種保険商品を提供しており、利用者側としては選択肢が広い状況になっています。
一方で、どの保険商品を選べばよいのかわからない経営者の人もいるのではないでしょうか。
自社に見合った保険を選ぶためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
最適な法人保険を選ぶためのポイントを、以下に4点紹介します。
- 保険を付保する目的を明確にする
- 将来を見据えた事業計画に合った保険を選ぶ
- 環境や会社の状況変化に臨機応変に対応できる保険を選ぶ
- 無理のない範囲の保険料設定をする
自社のリスクを十分に把握し、もしもの事態に備えて効果的な法人保険を選びましょう。
保険を付保する目的を明確にする
法人保険に加入する前に、保険を付保する目的を明確にしましょう。
自社が抱えているリスクを洗い出し、どの部分に注力するのかを検討します。
事業を展開する中には、あらゆるリスクが存在します。
数あるリスクに優先順位を付けて、リスクヘッジをしたほうがよい部分を優先的に保険で補償するのが効果的です。
会社によって、優先したいリスクは異なります。
倉庫業の場合は工場に関連するリスクを抱えるなど、取り組んでいる業種によっても備えたい内容が異なるのが一般的です。
自社のリスクについて把握が難しいと感じる場合には、法人保険の専門業者に相談してください。
自社の状況を総合的にみて、リスクの洗い出しや最優先に保障が必要な部分について、適切なアドバイスが受けられます。
将来を見据えた事業計画に合った保険を選ぶ
法人保険を選ぶ際は、現状の問題点や業種の特徴の考慮に加えて、将来的な事業計画を踏まえるのも大切です。
たとえば、現状では十分なリスクヘッジができている場合でも、経営者のもしもの事態への備えはどの会社でも考慮したいポイントとなります。
10年後に新しい事業を立ち上げを考える際には、10年後満期の養老保険を用意して保障を確保しながら資金確保を目指すなど、資金準備の目的で法人保険を活用するのもよいでしょう。
一方、将来的に縮小を検討している事業に対して、手厚く保障を付与する必要はないかもしれません。
将来の事業展開を検討しない分野には法人保険を利用せず、他の注力したい事業に関連する保険の加入を検討すると効率のよい保険商品が選べます。
現状のみで保険の内容を検討するのではなく、将来的な事業計画や展望を踏まえながら法人保険を選ぶ姿勢が重要です。
環境や会社の状況変化に臨機応変に対応できる保険を選ぶ
法人保険を選ぶ際は、環境や会社の状況変化に臨機応変に対応できる保険を選ぶのも大切です。
事業は、長期間継続する想定で取り組みます。
事業を継続する中で、会社内の状況が変わるのみでなく、周辺の環境が変化する可能性もあります。
法人保険の中には、定められた期間中は同様の内容で継続して加入するのを条件としているものもあり、さまざまな状況変化に即座に対応できません。
将来の状況変化への対応を重視したい場合は、保障内容の切り替えが容易なタイプを選ぶとよいでしょう。
状況変化がなかったとしても、法人保険の保障内容の定期的な見直しは必要です。
保険会社によっては、より魅力的な新規保険商品を提供している場合もあります。
状況変化に臨機応変に対応できる保険を選ぶとともに、定期的な保障内容の見直しをして最適な保障を常に確保できるのが理想的です。
無理のない範囲の保険料設定をする
法人保険に加入する際は、保険料負担に無理のない範囲で保障内容を設定するのも大切です。
一般的に、保障内容の充実に伴って保険料が高額になります。
養老保険や終身保険など、解約返戻金や満期保険金が充実している保険も、高い保険料を支払う必要があります。
保険料が高額で、会社の財務状況を圧迫してしまっては本末転倒です。
保障が必要な期間と内容を決めて、それに見合った適切な保険を選択し、保険料と保障のバランスを保ちましょう。
無理のない保険料設定を考慮する際には、保険料の損金算入についても計算に含めるほうが正しい判断ができます。
前述のとおり、以前と比較すると節税効果は限定的ですが、上手に活用すると費用負担を抑えながら必要な保障の確保が可能です。
受領する保険金の運用を含めて検討すると、効率よく活用できます。
法人保険に加入する際は、保険料負担が重荷にならないよう、保障内容と保険金額のバランスを考慮するのが重要です。
法人保険の見直しをする際に注目したいポイントを押さえておこう
一度法人保険に加入すると、そのまま放置してよいというわけではありません。
定期的な見直しをして、自社にとって最適な保障内容を選択していくのが大切です。
法人保険を導入した時期においては最適の選択ができていたとしても、時間が経過すると、より適した商品が作られている可能性があります。
会社内の状況や周囲の環境が変化している可能性もあるため、定期的な保険の見直しは重要です。
法人保険の見直しをする際に注目したいポイントとして、主な要素を以下に4点紹介します。
- 複数の保険の保障が重複していないか
- グループ会社に共通した契約にできないか
- 複数の建物を保有する場合保障内容を限定したほうがよい場合も
- 毎年の更新をする場合は年払いを検討
定期的な見直しのタイミングを設けて、自社にとって最善の保障を確保しましょう。
複数の保険の保障が重複していないか
複数の法人保険に加入している場合、保障内容が重複していないか見直してみましょう。
保険商品によっては、幅広い保障が得られます。
特に近年は特約の種類と範囲が充実しているため、本契約の枠を超えた保障が得られるケースもあります。
そのため、複数の保険商品を利用している場合は気付かないうちに保障内容が重複しているかもしれません。
さらに、複数の建物を所有している場合、それぞれの建物ごとに火災保険を付保しているのが非効率になるケースも考えられます。
それぞれの建物ごとに付保している火災保険を1つにまとめると、同じ保障内容で保険料を抑えられる可能性があります。
複数の法人保険を利用している場合は、重複している内容がないか確認するとともに、まとめて効率化できないか検討するのがよいです。
グループ会社に共通した契約にできないか
グループ会社を所有している場合は、法人保険の契約をグループ会社全体に範囲を広げられないか検討するのも1つの考え方です。
グループ会社各自で保険を付保している場合には、まとめたほうが保険料を減らせる可能性があります。
保険会社によっては、グループ会社全体にまとめて保険付保ができる保険商品を提供している場合があります。
同じ保障内容の保険をまとめると、全体でみて保険料負担を軽減できる可能性があるため、グループ会社を運営している経営者の人は全体の保険加入状況を確認しましょう。
複数の建物を保有する場合保障内容を限定したほうがよい場合も
自社保有の建物が複数ある場合は、火災保険や施設賠償責任保険などの内容を限定したほうがよい場合があります。
たとえば、事務所用ビルと工場を保有しているメーカーの場合は、火災保険や施設賠償責任保険を付保するケースもあるでしょう。
会社全体で保険を付保する場合、工場で適用される保障内容を事務所用ビルにも適用されている場合が多いです。
工場では、事故や盗難などさまざまなリスクが考えられます。
一方、事務所では工場ほどのリスクはないため、手厚い補償は不要です。
保険商品によっては、建物ごとに補償内容を変える対応ができるものもあります。
個別の補償設定をして保険料を軽減できる可能性があるため、建物ごとの個別の保険付保についても検討するのが大切です。
毎年の更新をする場合は年払いを検討
毎年同様の保障内容で契約の更新をしている場合は、保険料の支払方法の変更をするのもよいです。
保険料の支払いといえば、月払いを連想する人がいるかもしれません。
支払方法を年払いに切り替えると、全体でみて保険料負担を抑えられます。
保険料の節約につながるため、資金に余裕がある場合には年払いを検討するとよいでしょう。
さらに、保険商品によっては1年以上の期間の保険料を一括で支払えるタイプもあるため、財務状況を悪化させない範囲で先の年度の保険料支払いを検討するのもよいです。
法人保険に関する相談先は保険代理店が適している
法人保険に加入する際には、利用する保険商品を取り扱っている保険会社に依頼する必要があると考える人もいるのではないでしょうか。
法人保険の契約は、当該保険会社に申し込む方法に加え、保険代理店を活用する方法もあります。
両者にはそれぞれ特徴があるため、どちらが優れているというものではありません。
しかし、法人保険に関するノウハウがなく、総合的な視点で相談を受けたい場合には、保険代理店を利用したほうが適している場合が多いです。
法人保険に関する相談先を検討するうえで、以下の3つの視点で解説をします。
- 保険会社への相談は自社商品を推薦される
- 複数の保険会社を比較できる保険代理店
- 数多くの保険会社の商品を扱っている保険代理店に相談を
自分で適切な法人保険を選ぶのが難しいと感じている経営者は、保険選びを開始する前にぜひ参考にしてください。
保険会社への相談は自社商品を推薦される
保険会社に相談をすると、当該保険会社が取り扱っている商品を推薦されます。
もし、加入する保険がすでに決まっている場合には、その保険を提供する保険会社に相談して契約をするのが最適です。
保険会社で契約をすると、保険商品による保障を得るのみでなく、手厚いアフターサービスを受けられる場合もあります。
相談内容に関しても親身になって対応してくれるため、初めて法人保険を利用する際でも問題はありません。
しかし、保険会社に相談をすると、その保険会社が扱っている商品のみを勧められます。
保険会社に所属している営業担当者は、もし仮に他の会社の保険のほうが優れていると理解したとしても、自社以外の商品推挙は禁じられています。
利用する保険商品が決まっていない段階であれば、複数の保険会社の商品を比較しながら選んだほうが、自社にとって適切な内容のものが見つかる可能性が高いです。
複数の保険会社を比較できる保険代理店
保険代理店は、複数の保険会社の商品を取り扱っている保険販売の専門店です。
ファイナンシャルプランナーなど、幅広い知識を持っている経験豊富なプロが所属し、専門的かつ第三者の視点で最適な提案をしてもらえます。
多数の保険代理店が最初の相談を無料で受けられるため、初めて法人保険の利用を検討する際の強い味方となるでしょう。
保険代理店の魅力は、客観的な視点で保険商品を推挙してもらえる点です。
さまざまな保険会社と提携しており、扱っている商品の種類も多数用意されているため、豊富な選択肢の中から最適な提案をしてもらえます。
保険代理店側の立場としては、特定の保険会社の商品を勧める必要がなく、あくまで客観的な視点から最適な選択ができます。
利用する保険商品が決まっていない場合や、初めての法人保険の利用で基本的な部分から相談したい場合は、保険代理店に相談するのがよいです。
多数の保険会社の商品を扱っている保険代理店に相談を
保険代理店に相談する際は、多数の保険会社の商品を取り扱っている店舗を選ぶのがよいです。
保険代理店によって、提携している保険会社に違いがあるため、取り扱っている保険商品も異なります。
幅広い選択肢の中から適切な保険商品を探したい場合は、できるだけ多岐にわたる保険会社の商品を扱っている保険代理店に相談するほうがよいでしょう。
保障内容についての相談はもちろん、税務面も含めた最適な選択を提案してもらえます。
前述のとおり、損金算入や保険金の益金としての取り扱いなど、法人保険の税務や会計処理は複雑です。
予備知識がないと、最適な選択をするのは簡単ではありません。
一方で、選択次第で会社の収支や財務状況に与える影響が大きく変化する内容でもあります。
法人保険に関する相談先として、多数の保険会社の商品を扱っている保険代理店は最適な相手の1つです。
会社としての将来的な展望も含めた総合的な視点でアドバイスしてくれ、取り扱い保険会社の多い、経験豊富な保険代理店を選んで相談してみてはいかがでしょうか。
法人保険以外の貯蓄方法も検討して適切な選択を
法人保険は、これまで紹介してきたとおり、必要な保障を得るのみでなく将来の資金確保手段としても活用できる商品です。
解約返戻金や満期保険金および死亡保険金を効率よく活用すると、将来発生する出費の原資や事業継続用資金が確保できます。
貯蓄性の高い法人保険も多数あるため、貯蓄を目的として法人保険の利用を検討している経営者の人もいるでしょう。
貯蓄を主たる目的としている場合は、法人保険以外にも選択肢があります。
自社の状況を十分に見直し、法人保険以外の選択が適切であると判断される場合は、別の貯蓄方法の検討をするとよいです。
法人保険以外の貯蓄方法として、主なものを以下に3例紹介します。
- 資金流動性が高い預金積立
- 投資の側面が強い有価証券投資
- インフレに強いが手間と費用がかかる不動産運用
会社の財務状況を勘案して、ぜひ最適な貯蓄方法を選択してください。
資金流動性が高い預金積立
資金を貯蓄する方法として最も一般的なものが、銀行預金に積み立てて貯蓄する方法です。
一般家庭でも、貯蓄といえば銀行預金を連想する人も多いでしょう。
預金積立の利点としては、資金流動性の高さが挙げられます。
資金が必要になった際に、簡単な手続きですぐに利用できる点で、銀行預金は優れた方法です。
一方、預金積立には法人保険のような損金に組み入れられる経費がないため、節税効果は得られません。
低金利の状況においては利息収入も期待できず、資産運用の観点から考えると他の貯蓄方法のほうが優れています。
定期預金など、普通の銀行口座よりも高金利の設定がされているものもありますが、低金利の時期では金利面での魅力は乏しいです。
貯蓄性の高い法人保険を選択すると、銀行預金の利息収入よりも高い返戻率で資産を運用できる場合もあります。
急に資金が必要になる場合にも、契約者貸付制度を活用すると、低金利で融資が受けられます。
資金流動性の面を考慮すると、預金積立は優れた方法ですが、資産運用面では他の方法を選択するほうがよいです。
投資の側面が強い有価証券投資
有価証券投資により、事業用資金の貯蓄を行う方法もあります。
有価証券とは、株式や債券など、換金性のある証券系の商品のことです。
銀行預金には劣るものの、資金流動性は比較的高く、短時間で現金化できます。
有価証券は投資の側面が強いため、将来的に元本割れするリスクがあります。
一方、購入時よりも値上がりしている可能性があり、資産運用を目的として活用できる手法の1つです。
当面使用する予定のない余剰資金のうち、投資に回してもよい部分に関しては、有価証券投資の活用が向いているといえるでしょう。
しかし、役員退職金の原資など、出費するタイミングや金額がおおむね決まっている事項に対して貯蓄を目指す際には向きません。
有価証券の価値が下がり、必要金額を下回る可能性があるためです。
貯蓄性の高い法人保険の中には、一定の保険期間経過後、決まった満期保険金を受け取れるタイプの商品があります。
支出の目的が決まっており、確実に資金を用意したいと考える場合は、有価証券投資よりも法人保険を利用するほうが適切です。
インフレに強いが手間と費用がかかる不動産運用
不動産投資によっても、会社の資金の貯蓄が可能です。
不動産投資とは、投資用不動産物件を購入して貸付を行いながら運用を行い、まとまった資金が必要な際に売却して現金を得る方法のことを指します。
貯蓄目的で不動産投資をする利点としては、インフレに強い点が挙げられます。
インフレとは、お金の価値が下がり物価が上昇することです。
銀行預金で潤沢な資金があったとしても、インフレによりお金の価値が下がると、相対的に預金の価値が損なわれてしまいます。
一方、不動産は売却する際の水準で現金化ができるため、インフレの影響を受けずに資産運用が可能です。
しかし、不動産投資をするためには当事者間の契約や多岐にわたる書類の準備など、さまざまな手続きが必要になります。
現金化のためには買い手を探して煩雑な手続きをする必要があるため、資金流動性が低いのも欠点です。
資金流動性の高さや手続きの簡単さ、および節税面などの点を重視する場合には、法人保険のほうが向いています。
自社に最適な法人保険を利用してもしもの状況に備えよう
法人保険とは、契約者および保険料負担者が法人である保険のことです。
法人保険には、大きく分けて以下の3種類があります。
- 損害保険
- 生命保険
- 第三の保険
法人保険の利用により、もしもの時の事業継続資金や従業員向けの福利厚生など、さまざまな利点が得られます。
一方、保険料負担が発生したり支払保険料のほうが受取保険金よりも高額になったりするなど、利用上で気を付けたい点もいくつかあります。
法人保険は、上手に活用すると会社運営にとって将来のリスクを軽減できる保険商品です。
利用の目的を明確にして、自社の弱点や補強したいポイントを押さえた保障の確保を目指す必要があります。
今回紹介したおすすめの保険商品を参考にしながら、ぜひ最適な保険商品を選択してください。